2020 Fiscal Year Research-status Report
Collection of beach sands and environmental education in museum of natural history
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18K01114
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Research Institution | Administrative Agency for Osaka City Museums |
Principal Investigator |
中条 武司 地方独立行政法人大阪市博物館機構(大阪市立美術館、大阪市立自然史博物館、大阪市立東洋陶磁美術館、大阪, 大阪市立自然史博物館, 主任学芸員 (80321917)
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Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2022-03-31
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Keywords | 砂 / 砂浜 / 博物館 |
Outline of Annual Research Achievements |
世界的な枯渇が問題となっている「砂」を対象とし、自然史系博物館における砂の資料収集の意義を探るとともに、砂を通した環境学習を実践していく。砂の枯渇による海岸侵食などで失われつつある砂浜の砂を中心に収集を行い、その地域性や多様性を検討し、多くの人が容易に収集できる地質資料としてのポテンシャルを砂から探っていく。 2020年度は当該科研費3年目として、連携研究者との研究の計画やこれまで収集した砂標本の写真撮影などを実施した。砂標本の収集活動については、四国地方東部、東北地方北西部など中心に計画していたが、新型コロナウイルス感染症拡大防止のために出張などが制限されたことにより、まったく実行できなかった。また、学会発表などの成果発表も、コロナ禍による予定の大幅な変更などがありできず、この両者の点では研究スケジュールに大幅な遅延をもたらした。 そのような中、博物館においてYouTubeによる講演会の実施するとともに(公開期間9日間で416再生)、普及誌への執筆なども実施した。研究本体の進行が滞っている分、これまでの研究成果や研究意義の公表については十分に実施した。その結果、前年までよりも数は減ったが、一般市民からの寄贈は継続的にあり、新たにこの取り組みを知った市民からの砂の寄贈が増えた。 最終年度に向けて、次年度に計画している市民向け書籍の編集方針やそのスケジュールなどを連携研究者と確認を行った。また、これまでの成果を博物館のテーマ展示で広く発表することを見据え、その計画についても連携研究者等との議論を行っている。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
コロナ禍による砂の収集・調査活動がまったく実施できなかったことに加え、学会など学術的なシーンでの成果発表がまったくできなかった。砂標本の収集も、研究者本人の収集・調査がほとんどできなかったことに加え、コロナ禍の影響により一般市民からの収集・寄贈も極めて少なく、これまでの2年間でそれぞれ150試料以上(計300試料以上)収集していたのに対し、わずか70試料あまりの収集数と大幅に減少した。 一方で、これまで収集した砂標本の撮影や、これまでの研究成果に基づいた講演や普及誌への執筆などは、連携研究者と共に進め、次年度に計画している展示や著書の出版への準備を進行している。
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Strategy for Future Research Activity |
2021年度はこれまでの成果を集約し、「砂」をテーマにした展示会を実施する予定である。2020年度に予定していた収集・調査活動がまったく行えなかったが、2019年度までの成果を中心に展示会を行う予定である。また講演会や普及誌への執筆は積極的に実施し、これまでの成果を発信していく予定である。 今年度もコロナ禍により現地での収集活動ができないことが予想されるが、近隣地での収集・調査活動は小規模ながら実施予定である。
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Causes of Carryover |
コロナ禍による収集・研究活動、および学会参加などの成果発表がまったくできなかったため。
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Research Products
(4 results)