2020 Fiscal Year Research-status Report
地域レジリアンスの構築のための流域地生態系システムの研究
Project/Area Number |
18K01118
|
Research Institution | Kanazawa University |
Principal Investigator |
青木 賢人 金沢大学, 人間科学系, 准教授 (30345649)
|
Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2022-03-31
|
Keywords | 白山 / 手取川 / 地理情報システム / モデリング / 土砂流出 |
Outline of Annual Research Achievements |
コロナの状況もあり,現地調査は限定的であったが,論文の公表などを進めた. 山中・青木(2021)では,手取川からの土砂供給の変化に伴う海岸線の変化についてとりまとめ公表した.手取川から海岸域への土砂流出に対して,人為的な干渉(砂利採取・ダム建設,浚渫など)が影響することによって,流出土砂の堆積域である砂浜海岸の前進・後退が制約されていることを示した.これは,本課題のテーマである,流域の自然システムと人を含めた社会システムとの関係性から生じた自然環境の変化であり,大きな成果と考える.
加越海岸における汀線の時空間変動とその要因 -GISを用いた汀線変化の定量的解析- 山中 玲, 青木賢人.日本海域研究 52 13 - 30 2021年3月
本研究課題の大きなまとめとなる,白山山域における侵食状況の地理情報システムを用いた計量化とモデリングに関する内容(山中・青木,2019などで公表済み)についてのとりまとめを進めており,翌年度に持ち越した経費で国際誌に投稿する予定である.この研究では,DEM(Digital Elevation Model)を利用して接峰面図を作成し,接峰面と実際の地形との差分を取得することで侵食量を評価する.加えて,接峰面を作成するための移動窓のサイズを連続的に変化させることにより,小流域ごとに谷幅と侵食量の関係性を分析する.この成果として,山地の解体過程を側方侵食優勢→下方侵食となるパターン,下方侵食優勢→側方侵食となるパターン,側方侵食と下方侵食が同時並行的に進行するパターンとがあり,山地の解体過程を計量化・モデル化することに成功した.また,周囲の小流域に比べ過小侵食となっている流域を抽出することも可能となった.
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
2020年度中にとりまとめの予定であった論文が,データ解析の遅れから公表が遅れている.2021年度中には公表の予定.
|
Strategy for Future Research Activity |
2021年度には,研究のとりまとめを急ぐ. 国際誌への成果の公表を行う.
|
Causes of Carryover |
COVID-19によって,現地調査の実施がなかったこと(旅費,人件費の一部不使用),論文のとりまとめが遅れたこと(その他の不使用)があった.2021年度に研究成果の国際誌への公開のために利用する予定である.
|