2018 Fiscal Year Research-status Report
活断層による微地形の形成が居住と土地利用に与えた影響の地理学的解明
Project/Area Number |
18K01127
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Research Institution | Hosei University |
Principal Investigator |
杉戸 信彦 法政大学, 人間環境学部, 准教授 (50437076)
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Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2021-03-31
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Keywords | 変動地形 / 活断層 / 古地震 / 表層地質 / 遺跡 |
Outline of Annual Research Achievements |
近年、高解像度地形データおよび判読技術の充実を背景に、微小規模の断層変位地形が、長波長のものを含め、全国で相次いで発見されており、低地における居住域や土地利用と微地形との関わりを「活断層との関係」から捉えなおす機運が高まっている(従来は主に外的営力や気候変動、土砂供給との関係で議論されてきた)。こうした背景のもと、本研究では「活断層による微地形の形成が居住と土地利用にいかに寄与したか」という問いを立て、飯山市街地と熱田台地北方を主な調査対象として研究を実施している。 平成30年度は、熱田台地北方に関し、取得済のボーリングコアNAG-1~4(計22 m長)について層相および層序の確認作業を行った後(コアの中上部は旧河道を埋積する堆積物、同じく下部は旧河道堆積物と推定される)、旧河道埋積堆積物に注目して放射性炭素年代測定を実施し、その堆積速度曲線を描くことで、旧河道地形の成立時期を推定した。飯山市街地に関しては、平成31年度に予定している表層地質本調査に向け、ハンドオーガーを用いた表層地質予察調査を実施し、年代測定を行ったほか、実施済のトレンチ掘削調査で得られた試料の年代測定も実施し、表層地質の状況把握をすすめた。そのほか、長野県大町市街地など、本研究の目的に合致する他の地域の事例についても調査を実施した。全体を通じ、大縮尺航空写真および高解像度DEMを用いた地形判読や地形計測、遺跡調査報告書の収集・分析などを行って、調査計画および成果の充実をはかった。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
「研究実績の概要」に記したように、研究の目的および研究実施計画に沿う形で進捗している。
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Strategy for Future Research Activity |
平成31年度以降は、熱田台地北方に関し、前年度までに得られたデータを整理して、活断層による微地形と土地利用との位置的および時代的な関係について検討を行い、取りまとめて成果の公表をすすめる。飯山市街地に関しては、表層地質本調査と年代測定を実施し、必要に応じて表層地質補完調査を行う。その後、得られたデータを整理して、活断層による微地形と遺跡との位置的・時代的な関連性について検討し、取りまとめを行って成果の公表をすすめる。本研究の目的に合致する他の地域の事例についても調査を実施する。期間中、大縮尺航空写真および高解像度DEMを用いた地形判読や地形計測、遺跡調査報告書の収集・分析などを行って、調査計画および成果の充実をはかる。
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Research Products
(3 results)