2018 Fiscal Year Research-status Report
Geographical study on Prompt land use changes on riverside land from the viewpoint of dynamics of physical and social environment along the middle Arakawa river, Saitama, Japan
Project/Area Number |
18K01128
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Research Institution | Rissho University |
Principal Investigator |
島津 弘 立正大学, 地球環境科学部, 教授 (90251909)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
鈴木 重雄 駒澤大学, 文学部, 准教授 (40581476)
宇津川 喬子 立正大学, 地球環境科学部, 助教 (20822711)
本岡 拓哉 立正大学, 地球環境科学部, 特任講師 (60514867)
伊藤 徹哉 立正大学, 地球環境科学部, 教授 (20408991)
横山 貴史 立正大学, 地球環境科学部, 助教 (70710151)
原 将也 立正大学, 地球環境科学部, 助教 (00823147)
原 美登里 立正大学, 地球環境科学部, 准教授 (00386517)
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Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2021-03-31
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Keywords | 堤外地 / 微地形 / 土地利用 / 土地所有 / 自然と社会動態 / 荒川中流 / 名取川下流 / 東北地方太平洋沖地震 |
Outline of Annual Research Achievements |
埼玉県の荒川および宮城県の名取川において堤外地の空中写真の判読および現地における観察と聞き取り調査,現地における文献・資料収集を実施し,自然・生態と災害リスク,堤外地をめぐる社会と政治,堤外地の文化と生業の概要を把握した.自然分野に関しては微地形分布,社会分野に関しては土地利用変遷,土地所有形態,不法占有,かつて存在した堤外地集落の現状,生業分野に関しては現在の農業的土地利用についての概要を把握した. 堤外地は築堤以前から存在する集落や土地利用の影響があるものの,自然の状態に近い微地形が存在している.土地所有や地割は流路跡などの微地形の影響を受け,矩形ではなく,1つの地形単位が分割されるような形態を示している.土地利用としては過去から大部分が畑地として利用されているが,比較的最近まで集落が存在していた場所の周囲では現在でも水田が分布し,稲作が行われている.一方で,名取川堤外地においては,畑地利用はされているものの,元の所有者以外に貸し出され,あるいは家庭菜園のように利用され,一部においては元所有者が不明になっているような場所も見られた.さらに,元々の所有者が自所有地に加え,国所有の官地を借り入れて農業を行っている事例も見られた. 名取川では,特に河口に近いほど耕作の行われていない土地が広がり,東北地方太平洋沖地震の津波遡上による土地荒廃,あるいは所有者死亡,移転にともなっての耕作を行わなくなった土地が広がっていることが観察された.より上流側においては,かつて不耕作地が広がっていたのを確認していたが,ほぼ全面的に耕作が再開されていることも確認できた.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
当初の研究分担者の1人であった大石氏の転出および科研費資格喪失にともない,研究の遂行にやや問題が生じたが,新たな研究分担者を加えることにより,研究分担を見直し,対応してきた.空中写真の購入や現地における無人航空機による上空からの写真撮影も行った.また,基礎的な文献資料の閲覧とをそろえることができた.さらに,現地調査では,荒川において近年まで存在していた堤外地集落の現況を概観することができたのぬ加え,名取川における聞き取り調査では,堤外地の土地所有や土地利用,および東北地方太平洋沖地震による影響に関する重要な証言が得られ,今後の研究の発展につなげられるものとなった.一方で,研究メンバーの学務などの都合で,予定していた分野の異なる研究分担者全員がそろって実施する共同の現地調査が予定して期間よりも短く設定せざるを得ず,詳細な現地調査は行えなかった.また,無人航空機による写真撮影も,冬季に行ったこと,所有する機材の劣化などにより,低温による障害が出たため,当初予定よりも狭い範囲の撮影にとどまった.
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Strategy for Future Research Activity |
以下のことを中心に研究を推進する.1)購入した空中写真および無人航空機で撮影した写真の判読および購入した写真解析ソフトウェアを用いた写真測量による地図作成,GIS解析を進め,地形判読,戦後の土地利用変化の実態をより詳細に明らかにする.2)名取川堤外地の東北地方太平洋沖地震津波の影響による耕作放棄地分布の変化を,科研費採択以前に実施した調査結果,空中写真や衛星写真の判読によって明らかにするとともに,今後も継続する無人航空機で撮影する写真や現地調査をもとに,現況を明らかにする.3)購入し市史資料をはじめとした資料やそれらに掲載されている絵図の解析も行う. 無人航空機による現況詳細写真の撮影では,機器の整備,場合によっては更新なども必要に応じて行う.現地調査では,今年度で全員による現地確認ができたことから,今後は各研究分担者または分野ごと,分野横断などの組み合わせにより,より効率的な現地調査を行い,研究を進行する. なお,研究分担者の本岡氏の転出および科研費資格喪失にともない,当該研究分野を他の分担者に研究分担内容を分けるとともに,本岡氏の助言も受けながら,研究を遂行する.
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Causes of Carryover |
当初予定していた現地調査の期間短縮および調査参加予定者の1人が参加できなかったことによる旅費の支出が少なくなった.また,現地調査の内容変更により現地調査補助者の謝金を支出しなかったことが主な理由である.次年度においては,一部遅れが生じた現地調査を積極的に遂行する.具体的には今年度は基本的に分野横断的に調査を行うために,すべての分野の全員による共同調査を行う方針で,日程調整を行った結果,調査期間が短くなってしまった.次年度は,より少ない人数の組み合わせにより,現地調査を機動的に実施し,日数および回数を増やす.さらに,必要に応じて,現地調査補助者を雇用し,研究を遂行する.
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