2022 Fiscal Year Annual Research Report
Geographical study on Prompt land use changes on riverside land from the viewpoint of dynamics of physical and social environment along the middle Arakawa river, Saitama, Japan
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18K01128
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Research Institution | Rissho University |
Principal Investigator |
島津 弘 立正大学, 地球環境科学部, 教授 (90251909)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
鈴木 重雄 駒澤大学, 文学部, 准教授 (40581476)
宇津川 喬子 法政大学, 文学部, 助教 (20822711)
本岡 拓哉 立正大学, 地球環境科学部, 特任講師 (60514867) [Withdrawn]
伊藤 徹哉 立正大学, 地球環境科学部, 教授 (20408991)
横山 貴史 立正大学, 地球環境科学部, 特任講師 (70710151)
原 将也 神戸大学, 人間発達環境学研究科, 助教 (00823147)
原 美登里 立正大学, 地球環境科学部, 准教授 (00386517)
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Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | 堤外地 / 微地形 / 土地利用 / 土地所有 / 農業 / 荒川中流 / 名取川下流 / 令和元年台風19号 |
Outline of Annual Research Achievements |
2022年度は主として名取川下流堤外地において調査を行った。2021年度までに名取川堤外地で採取した砂礫試料の分析を行った。また、名取川堤外地の耕作放棄地における植生調査を実施し、全般的に外来種の優占が見られたものの、水面との比高に応じて、種組成に違いが見られることを明らかにできた。堤外地に生育する木本の年輪コアを採取し、発芽年代を調べ、過去の水位データと照らし合わせ、先駆的樹種は1990年代後半および2002年に発生した洪水後の堆積に対応して発芽した可能性があることが明らかになった。スギ、ケヤキは1930年代後半に植林され、シロダモはその後に混交したことが明らかになった。 土地所有形態の詳細を分析するため、インターネット上の地籍データから堤外地における民有地の実態を把握した。また、現地の土地利用状況の観察から、国管理になっている地形的に1段下がった高水敷において不法と思われる土地の占有が行われており、その利用実態は過去の観察と比べて頑丈な構造物の設置などより違法性が高まったことが分かった。耕作地として利用されている高水敷の洪水時の状況を把握するために、2019年10月の台風19号の浸水深が最も高かった時間帯に相当する2019年10月13日1時頃の名取川堤外地の衛星画像を入手し、浸水被害状況を把握した。2023年3月6日に神戸大学で研究発表会を開催し、これまでの成果を発表し、議論を行った。あわせて、神戸市新湊川の堤外地集落の跡地を訪れ、名取川および荒川の土地利用と比較し、堤外地空間の社会、政治性の史的変遷について検討した。 期間を通して堤外地における土地利用は洪水による水没や土砂の堆積にもかかわらず、人家などが移転したものの過去から継続的に利用されている一方で、その空白や国管理の土地が違法に占有され、耕作放棄地に外来植物が侵入する現象も起こっていることが明らかになった。
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Research Products
(2 results)