2019 Fiscal Year Research-status Report
How much does a city exhaust CO2 ?
Project/Area Number |
18K01129
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Research Institution | 防衛大学校(総合教育学群、人文社会科学群、応用科学群、電気情報学群及びシステム工学群) |
Principal Investigator |
菅原 広史 防衛大学校(総合教育学群、人文社会科学群、応用科学群、電気情報学群及びシステム工学群), 応用科学群, 教授 (60531788)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
石戸谷 重之 国立研究開発法人産業技術総合研究所, エネルギー・環境領域, 主任研究員 (70374907)
寺尾 有希夫 国立研究開発法人国立環境研究所, 地球環境研究センター, 主任研究員 (20469745)
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Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2021-03-31
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Keywords | 二酸化炭素 / 都市 / 酸素 / 炭素同位体 |
Outline of Annual Research Achievements |
東京都渋谷区に設置した観測サイトにおいて二酸化炭素・酸素・炭素同位体の常時観測を継続して実施した。夏季に一部の機材の不具合が生じたものの、全体としては順調に計測を行った。また、3回の集中観測を行い、市街地における地表面温度の分布のデータを習得し、大気安定度の推定に用いた。 得られた二酸化炭素輸送量(総輸送量)は冬春夏秋それぞれの日平均値で15.6、1.2、9.3、11.5 μmol m-2 s-1であった。総輸送量を酸素・二酸化炭素濃度比を使って案分し、排出源ごとの二酸化炭素排出量の推定を行った。観測サイトの特性から排出源は自動車(ガソリン燃焼)と建物(都市ガス燃焼)および人間呼吸の3種類とした。当該サイトでは建物における都市ガス燃焼が最も多いことが分かった。また、季節ごとの排出量日変化パターンも排出源ごとに得られた。ガソリン燃焼による二酸化炭素排出量の日変化パターンは、交通量のそれに近いものであった。一方、都市ガス燃焼については、既往研究で得られている都市ガス消費量の時間変化パターンと一部異なる点があった。この点については今後さらに検討していく予定であるが、都市ガス消費量の時間変化を論じた研究のレビューを深める必要もあると考えている。 人間呼吸については、当初の研究計画ではそれほど重要視していなかったものである。しかし、炭素同位体のデータから当該サイトでは生物(人間もしくは植物)起源の二酸化炭素排出が無視できないレベルで存在していることが示された。このため、人間呼吸量については時別人口データ、植物呼吸量については土地被覆データを用いて検討した。その結果当該サイトでは人間呼吸量が優位で総輸送量の約2割を占めることがわかった。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
計画していた計測はおおむね順調に行うことができ、データの取得が完了している。研究成果については学会発表および論文投稿を行うことができている。
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Strategy for Future Research Activity |
最終年度となる本年度も計測を継続し、データの取得を行う。また、得られた結果の既往研究との比較を重点的に行う予定である。さらに、新型コロナウィルスに起因した経済活動の停滞が二酸化炭素排出量に影響しているか否かを本年度に得られたデータをもとに検討したい。
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Causes of Carryover |
投稿した論文の掲載が次年度に判明する予定である。掲載料が未確定であるため次年度使用額を準備した。
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