2018 Fiscal Year Research-status Report
The comparison study on the Location Optimization Plan in Japan and the town centre first policy in UK
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18K01139
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Research Institution | Nara University of Education |
Principal Investigator |
根田 克彦 奈良教育大学, 社会科教育講座, 教授 (50192258)
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Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2022-03-31
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Keywords | タウンセンター / 都市計画 / マスタープラン |
Outline of Annual Research Achievements |
2018年8月にデジタルカメラとNEC LAVIE Directを購入した. 6月から10月まで,奈良市のマスタープランと大和郡山市の立地適正化計画を調査した.それにより,以下のことが判明した.中心市街地活性化基本計画が承認された奈良市のマスタープランは商業集積地の不足を補うため,中心市街地と鉄道駅周辺の拠点に小売店を集中させるだけではなく,幹線道路沿道に商業を発展することを示した.企業は農地の開発を選択し,奈良市はそれをマスタープランに従って容認したので,市街化区域の拡大を防ぐことはできなかったのである.さらに,以下の問題点を明らかにした,1万㎡超の大型店は中心市街地の外でも立地できるので,用途地域規制だけで,マスタープランに示された都市の将来像を実現できない.都市計画法と大規模小売店舗立地法に基づく審議会の審議内容が重なるので,両者を統合する必要がある. さらに,2月にロンドンでストラトフォードの新規タウンセンターを調査し,その成果を「ロンドンにおけるストラトフォード・シティと既存センターの統合」(日本地理学会2018年度春季学術大会2019年3月20日専修大学生田キャンパス)で発表した.その結果,以下のことを仮説とすることができた.イギリスの基礎自治体は,工業,オフィス,小売業・サービス業などの産業と,住宅別の土地利用の配置政策のなかで,それぞれ将来の需要に適する供給量を配置する.従来,製造業と小売業・サービス業の配置は別であったが,近年インナーシティの衰退した製造業地域の再生のために,ショッピングセンターの立地を許可した.すなわち,製造業と商業・サービス業の立地政策の区別がつかなくなった.そのため,ストラトフォードではインナーシティの再生のために開業したショッピングセンターを既存のタウンセンターと統合し,新たなタウンセンターとしたのではないかということである.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
奈良県と奈良市の都市計画審議会と大規模小売店舗立地審議会の資料を,おおむね入手することができた.また,イギリスに関しては,古い資料を入手することはできなかったが,ニューアムロンドン特別区市役所から,多くの有益な資料を入手することができた.土地利用などの調査に関しても,おおむね予定通り進めることができた. さらに,成果の一部を,日本地理学会(日本地理学会2018年度春季学術大会2019年3月20日)で発表することができ,研究成果の発信に関しても,おおむね予定通り進んでいる.
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Strategy for Future Research Activity |
奈良市における都市計画法の用途地域別大型店と中小小売店・飲食店の立地動向をまとめ,奈良市マスタープランと中心市街地活性化基本計画における目標を達成できたかどうかを評価する.その成果を7月までをめどにまとめ,投稿し,今年度中に雑誌に発表する. 2019年9月に,イギリス,ロンドンのストラトフォードにおけるセンター外の広域ショッピングセンターとストラトフォードの旧タウンセンターとの統合により,いかなる商業集積地が形成されたのかを調査する.特に注目するのは,タウンセンターを保護する政策で有名なイギリスで,センター外のショッピングセンターがなぜ開発され,それをどのような理由でタウンセンターに統合したのか,という理由を解明することである.特に,上で述べた仮説,近年インナーシティの衰退した製造業地域の再生のために,製造業と商業・サービス業の立地政策の区別がつかなくなった,ということを実証したい.その調査のために,ショッピングセンターの地図GOADデータを購入する.さらに,ロンドン周辺の小規模都市を事例として,小都市の中心商業地を観光地化して再生された事例を調査する予定である.本調査では,観光地として成功例と成功していない例の双方を調査したい. 北海道札幌市か釧路市を対象として,市町村マスタープランと立地適正化計画の資料を入手し,立地適正化計画で設定された都市機能誘導区域の土地利用調査を実施する.調査は2月か3月を予定している.調査に必要な最新の住宅地図が発行されるのが9月頃であるので,そのころに住宅地図を入手する.また,立地適正化計画で設定された都市機能誘導区域の変化を検討するために,古い住宅地図を市役所か図書館で閲覧し,コピーを得る.そのためのコピー代金が必要である.
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Causes of Carryover |
昨年度は物品費として,デジタルカメラとパーソナルコンピューターを購入し,それは当初の予算額とほぼ同じ額であった.旅費に関しては,2月のイギリス旅費の航空機代金が往復で117,680円と非常に安く済んだ.そのため,調査の成果を3月末の日本地理学会春季学術大会で発表したが,それでも30,312円残額が生じた. 一方,2019年度の予算は400,000円であり,9月にイギリスに調査に行く予定である.9月の航空機代金は200,000円を超えることが予想できる.また,Stratford town centreの土地利用図であるGOADデータを購入するつもりであるが,それは300ポンドである. 以上,昨年の航空機代金が安く済んだことと,本年のためできるだけ費用を残しておきたかった.
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Research Products
(1 results)