2020 Fiscal Year Annual Research Report
Geographical study on the development of support model in home care desert areas
Project/Area Number |
18K01141
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Research Institution | Ryutsu Keizai University |
Principal Investigator |
中村 努 流通経済大学, 経済学部, 准教授 (00572504)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
宮野 伊知郎 高知大学, 教育研究部医療学系連携医学部門, 准教授 (00437740)
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Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2021-03-31
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Keywords | COVID-19 / 地域包括ケアシステム / 介護度 / 地理学 / 老年医学 |
Outline of Annual Research Achievements |
研究代表者である中村は,高知県高知市および千葉県松戸市を対象として,COVID-19の感染拡大に伴って,地域包括ケアシステムにかかわるアクターの行動がどのように変化したのか,今後の感染防止策を踏まえて,地域包括ケアシステムにいかなる対応が求められるのか検証した。日本政府が採用した政策は,医学的合理性と経済的合理性を両立させるため,都市封鎖を伴わない比較的緩やかな外出規制にとどまった。しかし,社会的合理性の視点の欠如によって,高齢世帯や障がい者,ひとり親世帯,生活困窮世帯などへの従来の支援が損なわれる可能性がある。彼らはリテラシーの欠如や通信環境の整備にかかる費用負担の大きさから,デジタル格差の被害者にもなりやすい。こうした支援の欠如をカバーする,ソーシャル・キャピタルもまた乏しく,特に人口密度の低い中山間地域において,平常時においても孤立する傾向にあると推察される。他方で,人口密度の高い都市部においても,平常時から長期の自宅待機による虚弱化や孤立が予想され,コミュニティ機能の希薄な地域では必要な支援が行き届かない可能性が高い。 研究分担者である宮野は,高知県室戸市在住高齢者の介護度進行の要因について検討を行った。「要支援1または2」の介護認定を受けている75歳以上の高齢者529名を対象に、3年間の介護度の変化を検討した結果、「要介護1~5」へ移行していたのは269名(50.9%)であった。要介護への移行の要因として要支援2は要支援1に対しハザード比1.3(1.0-1.7)と移行しやすく、通所介護の利用(ハザード比1.7(1.2-2.4))、通所リハビリテーションの利用(ハザード比1.9(1.3-2.9))は移行しやすい結果であった。これらのサービス利用は、利用開始の時点で身体等の機能低下をすでに認めており、介護度を進行することは困難であることが示された。
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Research Products
(8 results)