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2018 Fiscal Year Research-status Report

ハワイにおける日本人の「居住空間」とジェンダー~国際移動の視点から~

Research Project

Project/Area Number 18K01155
Research InstitutionSugiyama Jogakuen University

Principal Investigator

影山 穂波  椙山女学園大学, 国際コミュニケーション学部, 教授 (00302993)

Project Period (FY) 2018-04-01 – 2021-03-31
Keywordsジェンダー / 居住空間 / 権力 / 日系人 / ハワイ
Outline of Annual Research Achievements

2018年にハワイ移住開始より150周年を迎え、6月には関連イベントが開催された。ハワイプランテーションビレッジでの元年者セレモニー、シェラトンホテルでの海外日系人大会、元年者150周年記念式典、ビショップミュージアムでの展示など、ハワイへの日系人移民の歴史を体感するイベントが行われていた。これらのイベントに参加する中で、改めて日本とハワイとの関係を検討しなおす機会を得た。1868年に元年者として入植した日系人は官約移民として1885年以降入植した人たちとは異なるコミュニティを形成している。イベントでの印象的な事象の一つが壇上に上がる多くの元年者血縁者が女性であることであった。日系人の女性たちの位置づけを検討するうえでの一つの示唆ともいえる。ハワイにおける日系人社会と日本人社会をつなぐ意味でもこうしたイベントが果たす役割は大きい。
本年度の調査の一つは戦前から戦後にかけて女性の位置づけである。戦前ダウンタウンに形成されていた風俗街をなくし、女性たちの更生を図るために尽力した人物のひとりにマキキ教会の創始者である奥村多喜衛がいる。ダウンタウンの風俗街はペストによる街の焼失とともにいったん姿を消すが、その後も場所を変えて形成された。そのたびに奥村が尽力していた記述がある。また奥村は子供たちに対する教育への関心も深く、ハワイ全土の子供たちが通学できるための寮を建設した。奥村ホームと呼ばれるこの寮は、のちに女子寮もつくられ、池田ホームとなった。女性を含む子供たちの教育環境を改善することで、女性の地位も、日系人の地位も向上することにつながっていく。
移住した人々が自分たちのふるさとを形成し、その地域に根付きながら、自分たちが獲得してきた文化を継承している一つの姿が提示されている。

Current Status of Research Progress
Current Status of Research Progress

2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.

Reason

元年者イベントを通して日系人の歴史を改めて検討する機会を得た。またその際にネットワークも広がり、調査を深めている。
日系人に関する調査としては、戦前のダウンタウンでの風俗街について、またハワイの子供たちの教育のために、奥村ホーム、池田ホームという寮を建設した奥村多喜衛についての資料も収集した。日系人の女性たちの位置づけを検討するうえで重要な課題となっている。
日本人の女性たちが中心となったふるさとづくりにかかわる調査としては、桜の植樹運動に関して聞き取りを実施した。日本人の心ととらえられている桜への思い入れは、移住を決断しハワイに根付いた生活を送りながらも、日本的なるものを求める姿勢と関連しており、さらなる調査を実施する予定である。

Strategy for Future Research Activity

ホノルル在住の戦後移住の日本人女性へのインタビューを中心に研究を進める予定である。ライフヒストリーの調査に関しては「戦争花嫁」をはじめ、国際結婚をして日本から移住してきた女性など多様な女性たちへの聞き取り調査を実施する。
ふるさとづくりについては、桜の植樹運動に関して調査を進める。中心となっているハワイサクラ基金への調査と資料の収集を行う。
戦前、戦後の女性たちの動向に関しては、マキキ教会のリソースセンターをはじめ、調査を進める。
文献調査、資料収集に関しては、ハワイ大学の図書館と日本文化センターのリソースセンターを中心に調査を行う。移住した人々が自分たちのふるさとを形成し、その地域に根付きながら、自分たちが獲得してきた文化を継承している様態を検討していく。
ここまでの研究成果をいずれかの学会で報告する予定である。

Causes of Carryover

2018年3月にハワイに出張に行き予算を使用したが、31日に帰国したため予算支払いが次年度送りとなり、多額の残額が生じる形となってしまった。

URL: 

Published: 2019-12-27  

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