• Search Research Projects
  • Search Researchers
  • How to Use
  1. Back to project page

2022 Fiscal Year Research-status Report

Cultural evolutionary approach on the ethnic conflict among pastoral societies in East Africa.

Research Project

Project/Area Number 18K01162
Research InstitutionHirosaki University

Principal Investigator

曽我 亨  弘前大学, 人文社会科学部, 教授 (00263062)

Project Period (FY) 2018-04-01 – 2024-03-31
Keywords民族対立 / 文化進化論 / 文化係留型ゲーム / ジレンマ / 牧畜社会 / 東アフリカ
Outline of Annual Research Achievements

令和4年度は、エチオピア国において新型コロナ感染症が収束しなかったことに加え、調査地域であるオロミア州西グジ地域の危険度がレベル4に引き上げられたことが原因で、エチオピア国における現地調査を実施することができなかった。研究計画にも大きな遅延が生じている。
その中でも、国内で行える調査として、以下の3点を行った。
(1)エチオピア国における政治状況に関する情報収集を、BBC, CNN, Al Jazeeraの報道をもとに行った。令和2年より、政府軍とティグレ人民解放戦線TPLFが戦闘を繰り広げてきたが、反政府民族団体9派による同盟が成立し、エチオピア南部からオロモ開放戦線OLFが進軍するなど、政府軍への攻勢を強めた。令和4年からは、オロミア州政府と連邦政府の掃討作戦が始まり、オロモ解放戦線との武力衝突や民間人の殺害が起きている。こうした紛争について網羅的にデータを収集した。
(2)ボラナ県周辺における、ローカルな民族紛争や殺人などの記録収集を継続した。これは現地の調査協力者2名によって実施され、電話によって定期的に収集状況の確認をおこなったが、情報の集計まではできなかった。
(3)文献を用いて文化進化論への理解を深めた。引き続き、現地の状況に合致するように公共財ゲームを改良する可能性を検討した。しかし、調査地域での武力衝突や民間人の殺害がおきている状況を考えると、オロモ解放戦線を支持する民族と、オロミア州政府を支持する民族の間の緊張が高まっていると予想され、この状況下では、他民族への非寛容、自民族への利他性が高まる一方、他民族への寛容性や、自他の民族を問わない利己性は低下すると考えられる。

Current Status of Research Progress
Current Status of Research Progress

4: Progress in research has been delayed.

Reason

研究実績にも記したように、新型コロナ感染症が収束しなかったことと、エチオピア国における紛争により、令和4年度も現地調査を実施することができなかった。いくつかの点で研究をすすめたが、本研究は、現地調査を中心とする研究計画をたてていたことから、遅れていると判断した。

Strategy for Future Research Activity

本研究については調査期間を1年延長した。令和4年の後半からエチオピア国の新型コロナ感染症の流行状況は、落ち着きを見せ始めており、地域によっては調査を再開することが可能である。一方、調査地で頻発している紛争については予断を許さないが、現地での調査協力者をエチオピア国の安全な地域に招くことで、ボラナ県周辺におけるローカルな民族紛争や殺人の記録については回収できる見込みである。一方、公共財ゲームについては、調査地の治安が悪いことから、令和5年度も実施は難しいと予想される。この点については、インフォーマントへのインタビュー等によって代替のデータを取得する計画である。

Causes of Carryover

次年度使用額(B-A)が生じた状況として、もともと本研究課題は現地調査を中心に予算執行を予定していたが、令和2年から4年にかけて新型コロナ感染症の世界的流行および現地の治安状況の悪化などが原因で、現地調査を実施できなかったことによる。
本研究課題は令和4年度が最終年度であったが、調査期間を1年延長することで予算を執行する。今年度は、新型コロナ感染症が収束しつつあることから、計画通り現地調査を実施する予定である。また現地の治安状況が悪いことから、その周辺地域で調査を実施する予定であるが、安全を確保するため、レンタカーを借り上げることとしている。

  • Research Products

    (3 results)

All 2023

All Book (3 results)

  • [Book] EXTREMS: The Evolution of Human Society2023

    • Author(s)
      Toru SOGA(Kaori Kawai ed.)
    • Total Pages
      616
    • Publisher
      Kyoto University Press, Trans Pacific Press
    • ISBN
      9784814004799
  • [Book] アフリカを学ぶ人のために2023

    • Author(s)
      曽我亨(松田素二 編)
    • Total Pages
      356
    • Publisher
      世界思想社
    • ISBN
      9784790717829
  • [Book] ラクダ、苛烈な自然で人と生きる2023

    • Author(s)
      曽我亨(今村薫 編)
    • Total Pages
      232
    • Publisher
      風響社
    • ISBN
      9784894893450

URL: 

Published: 2023-12-25  

Information User Guide FAQ News Terms of Use Attribution of KAKENHI

Powered by NII kakenhi