2020 Fiscal Year Research-status Report
An Anthropological Research on Professional Women in South Asian Music and Performance
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18K01165
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Research Institution | Aichi University |
Principal Investigator |
田森 雅一 愛知大学, 国際コミュニケーション学部, 教授 (10592454)
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Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2022-03-31
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Keywords | 南アジア / 女性芸能者 / ジェンダー / 音楽芸能カースト / 芸能と売春 / グローバル化 / ポストコロニアル / 国民文化 |
Outline of Annual Research Achievements |
本年度は、共同研究メンバー4名(田森雅一、岩谷彩子、寺田吉孝、村山和之)による研究会(いずれもZoomによる遠隔会議)を2回開催した。第1回目は、2020年6月14日に、第2回目は2021年2月21日に行い、共同研究メンバー全員による研究報告と情報交換を行った。第1回目の研究会においては、村山和之が2020年2月中旬から3月にかけて約3週間、パキスタン(ラホール、イスラマバード、クエッタ)とインド(アムリトサル、デリー、アーグラー)で行った現地調査の帰朝報告を行なった。また、岩谷彩子は北西インドの移動民の女性たちによるカールベーリヤー舞踊の創造性についての報告を行なった。第2回目の研究会において、インド調査の帰朝報告を予定していた寺田吉孝のインド渡航が困難になったため、各自研究の進捗状況を報告しあい情報交換を行なった。 本研究会の今年度の成果として田森は、「環流現象と音楽伝統の変容―インドとフランスを結ぶ再帰的グローカル化の諸相」(『文明21』、46号、2021年3月)と題する論文を出版した。岩谷は日本南アジア学会第33回全国大会(2020年10月4日、京都大学が担当校によるオンライン開催)において、「インドにおける女性芸能者の社会的周縁性と創造―カルベリア・ダンスの事例より」と題して発表した。寺田は、UCLA Center for India and South Asia(2021年1月11日、オンライン開催)において発表を行った。また、メンバーの三人(田森・村山・寺田)が『世界を環流する<インド> ―グローバリゼーションのなかで変容する南アジア芸能の人類学的研究』(松川恭子・寺田吉孝編著、2021年1月)の共同執筆者として第1章、第2章、第11章を担当した。岩谷は『インド・剥き出しの世界』(田中雅一他編著、2021年3月)の共同執筆者として、寺田は自らが編著者の一人としてMusic and Marginalisation: Beyond the Minority-Majority Paradigm(2021年3月)を出版した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
4: Progress in research has been delayed.
Reason
新型コロナウイルス感染症(以下、新型コロナ)の影響により、当初予定していた3回の対面による研究会は困難となったが、遠隔による2回の研究会を開催することができた。しかし、大学共同利用機関法人人間文化研究機構「南アジア地域研究」国立民族学博物館拠点(MINDAS)との共同研究会を開催する機会が失われた。また、本科研では共同研究メンバー4人が最低でも1回は現地調査を行い、各自が帰朝報告を行い、全体的な成果を取りまとめる予定であったが、南インドを担当する寺田吉孝の海外現地調査が困難になり、また北インドを担当する田森の現地での追跡調査も困難となった。そのため、それらの海外調査に基づく発表や検討が行うことができなかった。これらのことから、進捗状況について「遅れている」とした。
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Strategy for Future Research Activity |
新型コロナの状況次第だが、科研研究会や他の研究機関との共同研究会あるいは学会での発表を模索する。対面での研究会が困難な場合は遠隔での研究会を考えている。また、これも新型コロナの状況によるが、昨年度実行できなかった2名(寺田・田森)のインド調査を12月以降に実行したいと考えている。なお、国内の研究機関・大学施設での文献調査を充実させたいと考えているが、今年度中の海外調査が困難な状況になれば再延長申請も検討したい。
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Causes of Carryover |
新型コロナにより、2名(寺田吉孝と田森雅一)のインド調査が困難になったため旅費(海外)が未使用となった。 また、研究会の開催が遠隔開催となったため旅費(国内)が未使用となった。 2021年度中に新型コロナ禍が収まった場合には、年度内に前期2名がインド調査を行う。また、研究会を2回程度行う。
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