2020 Fiscal Year Research-status Report
生活様式の国民的均質化の下での民族意識の行く末を見通す実証研究
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18K01168
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Research Institution | Kanazawa University |
Principal Investigator |
鏡味 治也 金沢大学, 人間科学系, 教授 (20224339)
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Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | 民族意識 / 国民意識 |
Outline of Annual Research Achievements |
本年度は新型コロナウィルスの世界的な感染拡大のため、本研究のいちばんの主眼であるインドネシアでの現地調査が実施できなかった。また国内での資料収集も同様の行動規制のため行えず、国内旅行も見合わせざるを得なかった。 さらに東京で予定されていたインドネシア研究懇談会第2回研究大会への参加も、同会がオンラインでの実施となったため、交通費を使わずに参加することになった。 さらに現地調査が不可能だったため、調査のための備品や消耗品も購入しなかった。その結果、本科学研究費で支給された予算の支出がないままに終わった。 コロナウィルス感染拡大下での研究活動として、上記したインドネシア研究懇談会に、研究大会運営委員としてオンラインで参加した。研究大会は東京の東洋大学を幹事校として、11月28日(土)と同29日(日)の二日にわたってオンラインで開催され、両日とも金沢からオンラインで参加した。研究大会当日に至る準備段階での研究大会運営委員としての作業(おもにオンライン上での打ち合わせと発表草稿の査読)は、7月から順次行われ、委員の一人として運営に貢献した。 また、本研究初年度のインドネシア・ランプン州での現地調査をもとに一昨年に国際学術誌に投稿した英語論文(インドネシア人研究者と共著)の査読が8月に戻されてきたので、その結果と指摘内容をもとに、共著者と相談していまいちど資料を整理・追加し、英語表現も修正して11月に再投稿し、現在再査読結果待ちである。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
本研究の核となるインドネシアでの現地調査は、本年度一年は行えなかったが、昨年度及び一昨年度にもっとも行きにくかった場所での現地調査を終えている。計画してまだ訪れていない調査地を、残り2年で回ることはじゅうぶん可能である。 いっぽう当初計画で予定した、人口統計の原データの整理はすでに昨年度で終了している。残りの研究期間は現地調査とその収集資料整理におもにあてればよく、研究は順調に進展していると判断する。
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Strategy for Future Research Activity |
今後はコロナウィルス感染拡大とその制圧の状況をにらみながら、できる限りインドネシアの数か所での現地調査を2年かけて実施したい。インドネシアでもコロナウイルスは人口比で日本の1.5倍程度広まっているが、ワクチン接種も始まっており、令和3年度後半には渡航できるようになることを期待する。
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Causes of Carryover |
新型コロナウィルスの世界的な感染拡大のため、予定していたインドネシアでの現地調査や日本国内での資料収集・研究大会への参加のための旅費が使用できず、また現地調査のための備品・消耗品の購入も見合わせたため、研究経費の使用がないまま、手持ちの設備や備品で研究を続けた。 インドネシアでのコロナウィルス感染状況は人口比で日本の1.5倍程度だが、すでにワクのためのチン接種も始まっており、令和3年の年末頃には渡航も可能になることを期待し、その現地調査の渡航費や備品・消耗品費、また年末に京都(同志社大)で開催予定のインドネシア研究懇談会第3回研究大会への出席のための旅費等に充てたい。
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