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2018 Fiscal Year Research-status Report

参加型映像制作による民話の活用と伝承に関する映像人類学的研究

Research Project

Project/Area Number 18K01169
Research InstitutionShinshu University

Principal Investigator

分藤 大翼  信州大学, 学術研究院総合人間科学系, 准教授 (70397579)

Project Period (FY) 2018-04-01 – 2021-03-31
Keywords民話 / 映像化
Outline of Annual Research Achievements

本研究の目的は、民話の現代的な意義を明らかにすることである。その上で、本研究では「参加型映像制作」という手法を採用する。具体的には、ある民族の人々と共に、民話を基礎とした劇映画を制作・上映し、視聴・議論することを試みる。その過程において、対象とする民族社会にどのような民話があり、それらの民話をシナリオにして実演する過程で、当該民族による民話の現代的な解釈を探ることができる。また、映画化し上映会を開くことによって、当該民族による民話の再評価を促し、今日的な民話の意義と伝承における課題を明らかにする。
平成30年度の成果としては、研究対象とするカメルーン共和国の熱帯雨林に居住するBaka(バカ)という人々の民話を検討し、映画化するテーマを選定した。検討した民話は、フランスで出版されている民話集と、研究代表者がこれまでに採録した民話である。候補となるテーマは、精霊と人、動物と人、人と人(主に男女)の関係である。民話に表れるこれらのテーマを取り上げて、平成31年度以降、Bakaの人々と共同して制作にあたる。もう一つの成果としては、2002年より継続的に撮影してきた映像を整理し、本研究に生かせるように準備を進めたことである。既に撮影済みの映像を把握することで、新たに必要な映像を撮影することが容易になる。さらに、劇映画の演出についても、アフリカ映画をはじめ多くの映画を視聴し、関連する文献を読むことで学ぶことができた。また、現地調査において必要になる機器を購入し、試用することによって、現地において可能な撮影方法についても検討することができた。

Current Status of Research Progress
Current Status of Research Progress

2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.

Reason

平成30年度の計画は、平成31年度に実施する現地調査の準備という位置づけであった。現在までの進捗状況は、平成30年度の研究実績の概要に記したとおりであり、おおむね順調に進展していると言える。ただし当初計画していた「カメルーン共和国の映像作家と協議する」という点は、シナリオが構想段階にあるため、具体的な話し合いに至っていない。この点は、平成31年度の調査までに確実に進める予定である。もう一点、調査許可の取得について、対象国の省庁による要件の変更があったため、取得が遅れている。しかし、この点については、カメルーンで調査をおこなっている研究者間の協力によって手配が進んでいるため、平成31年度の調査に支障はないものと考えられる。

Strategy for Future Research Activity

平成31年度は、カメルーン共和国において参加型映像制作を実施し、民話に基づく映画の制作を行う。Bakaの人々、先住民組織 のスタッフおよびカメルーンの研究者や映像作家と協同し映像作品を制作する。また、試作した作品を参加者と検討し、再撮影、再編集を行い、作品を完成させる。以上の過程において、対象とするBakaの人々による民話の現代的な解釈を明らかにする。
平成32年度には、カメルーン共和国の内外において、映像作品を上映し、視聴者との議論を通じて、映像を活用した民話研究の可能性と課題を明らかにする。また、参加型の映像制作と上映会を通じて、無文字社会における民話継承の新しいモデルを構築し、提案する。

Causes of Carryover

平成30年度において、31年度に実施する現地調査で確実に使用する物品を購入したが、本研究で使用する機器は、改良された機種が発売される可能性が高いため、平成31年度に購入した方が適切だと判断される機器については購入を控えた。そのために次年度使用額が生じたが、この助成金は平成31年度において、機器の購入にあてる。

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Published: 2019-12-27  

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