2019 Fiscal Year Research-status Report
現代インドにおける環境政策・環境運動・宗教実践の多元的展開に関する人類学的研究
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18K01170
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
石井 美保 京都大学, 人文科学研究所, 准教授 (40432059)
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Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2022-03-31
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Keywords | 人類学 / 宗教 / 環境問題 / インド / 自然 |
Outline of Annual Research Achievements |
本年度は、科研費を用いて行ったインドでの調査結果をまとめた著書の英訳・改訂版である著書"Modernity and Spirit Worship in India: An anthropology of the Umwelt"の英訳を完成させ、11月にRoutledgeから出版した。英訳と改訂には多大な労力を費やしたが、科研費を用いた研究成果を広く国際的に発表するという大きな目的を果たすことができた。また、以下の三つの国際学会で研究発表を行い、国内外の研究者と意見交換を行った。 ・The Fifth Biennial Conference of East Asian Environmental History (EAEH 2019)(October 24, 2019 Venue: National Cheng Kung University, Tainan, Taiwan) ・Religion at Work: Gods, Goddesses, and Occult Powers in the Lives and Livelihoods of India’s Artisans, Technicians, and Manufacturers(Symposium for the 2019 South Asia Conference, October 17th, Madison) ・ICAS11 (Leiden, the Netherlands) したがって本年度は研究成果のまとめと国際発信、研究交流という側面において大きな成果があったといえる。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
本研究課題は、国際学会での発表や論文執筆という側面において、順調に進捗している。とくに、ICASやEAEHなどで研究テーマに関する国際的な動向を知ることができたことは大きな収穫であった。また、パネル発表を通して、日本における災害や環境問題と、インドにおける環境問題を比較検討する視座を得ることができた。ただし、2020年3月に予定していた現地調査は、COVID-19によってインドに渡航することができず、実施することができなかった。そのため、本研究課題に関する一次資料を十分に収集できたとは言えない点が残念である。
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Strategy for Future Research Activity |
2020年3月に予定していたカルナータカ州での現地調査は、COVID-19によってインドに渡航することができず、実施することができなかった。この課題に関する調査研究は途上であるが、2020年以降もインドでの調査が実施可能になるかどうかは不透明である。文献研究を中心に日本で調査研究を進めつつ、インドでの調査協力者と連絡を取り、今後の調査の可能性を探っていきたい。
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Causes of Carryover |
次年度使用額は、学内経費と合わせて2020年度末の現地調査に関する経費の一部として使用する予定であった。しかし、COVID-19によって現地調査が不可能となったため、次年度使用額が生じた。この経費は、次年度にインド関連書籍の購入費に充てる予定である。
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