2022 Fiscal Year Research-status Report
現代インドにおける環境政策・環境運動・宗教実践の多元的展開に関する人類学的研究
Project/Area Number |
18K01170
|
Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
石井 美保 京都大学, 人文科学研究所, 准教授 (40432059)
|
Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2024-03-31
|
Keywords | インド / 環境保全 / トラ保護区 / 部族民 / 環境運動 / カルナータカ州 |
Outline of Annual Research Achievements |
2022年度は2021年度に引き続き、調査地であるインド・カルナータカ州村落部における新型コロナウイルス流行への懸念があったため、インドでの現地調査を行うことはできなかった。しかしながら、これまでに実施した調査研究に基づいて執筆した英語論文を国際ジャーナルで発表した(2022 Living in the forest as a pluriverse: Nature conservation and indigeneity in India’s Western Ghats.Journal of Political Ecology 29(1) https://doi.org/10.2458/jpe.2378)。また、インド系移民が総人口の4割以上を占めるフィジー共和国にて、主にインド系移民の宗教実践に関する予備的な調査を行った。ただし今回の調査では宗教実践と土地・環境との関わりに関する踏み込んだ調査を行うことはできなかった。先述したようにコロナ禍のためにインドへの渡航は滞っているものの、調査地であるカルナータカ州在住の研究者から現地社会の最近の変化について随時情報を収集し、2023年度の現地調査に備えることができた。また、本プロジェクトの基盤の一部として2019に出版した著書(Modernity and Spirit Worship in India: An Anthropology of the Umwelt. London & New York: Routledge)のカンナダ語への翻訳を計画している。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
新型コロナウイルスの流行への懸念から現地調査を実施することができず、したがって新しい一次データを得ることができなかった。しかし、現地の研究者から随時情報を収集するとともに、文献研究と論文執筆を行ったという点で、おおむね順調に進展しているといえる。
|
Strategy for Future Research Activity |
今年度はインド・カルナータカ州に渡航して現地調査を実施し、これまでに得られなかった一次データの収集に励む。また、現地の研究者との意見交換・共同研究を積極的に行いたい。さらに、今年度が本プロジェクトの最終年度であるため、研究成果の刊行に向けてデータの整理と論文草稿の執筆を行う。
|
Causes of Carryover |
2022年度は2021年度に引き続き、インド村落部での新型コロナウイルス流行への危惧があったため、現地での調査を実施することができなかった。このため、次年度使用額が生じている。現地からの情報により、感染状況は落ち着いてきており平常の生活が可能であるとのことから、2023年度は現地での調査を実施する予定である。この調査にかかる旅費等として当該予算を使用することを計画している。
|