2018 Fiscal Year Research-status Report
タイ北部、ミエン(ヤオ)の歌謡と歌謡語および歌謡の儀礼への応用に関する研究
Project/Area Number |
18K01186
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Research Institution | Tokyo Gakugei University |
Principal Investigator |
吉野 晃 東京学芸大学, 教育学部, 教授 (60230786)
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Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2022-03-31
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Keywords | ミエン / 歌謡 / 歌謡語 / 儀礼語 / 口語 / 新しい宗教現象 / 女性シャマン / 詠唱法 |
Outline of Annual Research Achievements |
2018年度は、タイ王国において6月8日~16日(ナーン県ムアン郡ボー区)、8月4日~11日(パヤオ県チエンカム郡ロムイェン区)、8月20日~29日(チエンラーイ県ムアン郡ホエイチョンプー区)、9月7日~15日(ナーン県ムアン郡ボー区)、11月6日~9日(ナーン県ムアン郡ボー区)、(パヤオ県チエンカム郡ロムイェン区)、2月1日~11日(チエンラーイ県ムアン郡ホエイチョンプー区)に現地調査を行った。調査においては、歌詞テキストの収集、即興歌詞の録音、歌詞の読解、歌謡語語彙の採集・分析、新宗教現象の儀礼記録とシャマンへの聴取を行った。 1)ミエンの歌のテキストと歌謡語語彙に関する調査を、パヤオ県チエンカム郡、ナーン県ムアン郡において行い、歌謡テキストを収集してその発音を確定し、意味を解読した。これらのプロセスを通じて歌謡語の語彙を収集し、その特徴を把握した。歌詞についても分析を行い、様々な歌の種類の歌詞の特徴を分析した。 2)ミエンの新たな宗教現象については、陰暦七月と陰暦正月の儀礼の調査をチエンラーイ県ムアン郡のミエン村落にある廟で行い、儀礼を録画して分析した。一方、女性シャマンのライフヒストリーに関する聞き書きを行った。 3)1の歌謡語語彙に関する調査の成果を活用して、女性シャマンの歌による託宣の内容の解読も進めた。 4)2冊のミエン語辞書から歌謡語語彙を800語以上を抽出した。それに加えて、従来の調査で採集し得た歌詞から歌謡語彙を抽出し、歌謡語彙のデータを増やした。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
歌謡テクストの収集をナーン県で数回に亘っておこない、歌詞の収集が進んだ。また、それに基づく歌詞の発音収録分析と解読も進めている。女性が歌謡を用いて儀礼を行う新しい宗教現象の儀礼も二回調査でき、録画録音を行って多くのデータを得た。このように、予定通りに調査研究が進んでいる。
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Strategy for Future Research Activity |
予定通り、2019年度においてはミエンの村で歌謡テクストの収集と解読に努める。文字で書かれた歌謡テクストを収集し、その発音を記録して、意味の解読作業を行う。この過程において歌謡語語彙を抽出してミエンの歌謡語のデータを蓄積する。即興の口頭の歌謡も録音記録して、テクスト化し、同様の分析を行う。 この歌謡と歌謡語に関する調査と並行して、ミエンの新宗教現象の儀礼の調査もチエンラーイ県で行い、その歌謡による唱え言等を解読する。
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Causes of Carryover |
2018年度においては、臨時の儀礼調査の機会が得られたので、その調査を優先した。予定した調査機器の購入は、2019年度の予算と合算して執行する予定である。その他の旅費予定は計画通りに行う。
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Research Products
(4 results)