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2018 Fiscal Year Research-status Report

Anthropological study of a new indigenous movement in Melanesia

Research Project

Project/Area Number 18K01192
Research InstitutionKobe University

Principal Investigator

吉岡 政徳  神戸大学, 国際文化学研究科, 名誉教授 (40128583)

Project Period (FY) 2018-04-01 – 2022-03-31
Keywordsヴァヌアツ / indigenous movement / ルガンヴィル / 伝統と近代
Outline of Annual Research Achievements

本年度は、9月18日から10月4日までの予定で、ヴァヌアツ第二の都市ルガンヴィルでのフィールドワークを実施した。帰路、ルガンヴィルから首都のポートヴィラまでの国内便が遅延したため、ポートヴィラでの国際線に接続できず、2日間余分な滞在を余儀なくされたが、その間、次年度でのフィールドワークのための手続き、予備調査を行った。ルガンヴィルでのフィールドワークの目的は、indigenous parliament運動の広がりを知ることであったが、以下の2点が明らかになった。①indigenous parliament運動は、ルガンヴィルでは2004年~2005年頃に最盛期を迎えたが、近年はその活動は沈静化している、②ヴァヌアツの新しいindigenous movementは、伝統的な手続きによる各島のリーダー達を集めて伝統的な政治システムを復活させる目的をもったindigenous parliament運動よりも、伝統と近代の融合を目指す実験としてのTuraga Nation運動に、大きな比重をかけるようになってきた、という点である。ヴァヌアツで生起した新しいindigenous movementのポイントは、伝統と近代をいかに融合するか、近代から見た伝統の在り方を追求するという点である。その意味で、indigenous parliament運動は、西洋化しすぎた全国首長会議を批判するあまり、伝統への復帰を急ぐ提案をしたきらいがある。一方、Turaga Nation運動は、その本拠地であるペンテコスト島北部のラバトゥマンゲム村で伝統と近代の融合を目指した実験を繰り返しているという。この運動の実態を探ることが、本研究の中心活動となると考えられる。


Current Status of Research Progress
Current Status of Research Progress

2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.

Reason

本年度のルガンヴィルの調査で、ルガンヴィルではindigenous parliament運動が下火となり、Turaga Nation運動に収れんされつつあることが分かったが、ヴァヌアツで生起した新しいindigenous movementの中核としてTurga Naton運動を位置付けることができるようになった。そして、本年度のフィールドワークのかたわら、来年度のTuraga Nation運動の本拠地であるラバトマンゲム村への入村許可を取ることができたことで、さらにindigenous movementの本質を追求することができることがわかったので、おおむね順調に進展していると考えられる。

Strategy for Future Research Activity

来年度は、ヴァヌアツで生起している新しいindigenous movementの本拠地でのフィールドワークを実施するとともに、運動のリーダー二人、つまり、ヒルダー・リニ氏とヴィラレオ氏を中心にインタビューを行い、運動の意味を探る。

Causes of Carryover

次年度は、ペンテコスト島北部の西海岸にあるラバトマンゲム村でのフィールドワークを含む調査を予定しているが、ペンテコスト島北部の飛行場からこの地に行くまでの間にトラック借り上げなどが必要になること、また船外機付きボートの借り上げなどが予想されることから、今年度の経費の一部を次年度に繰り越すこととした。

  • Research Products

    (4 results)

All 2018

All Journal Article (3 results) Presentation (1 results) (of which Invited: 1 results)

  • [Journal Article] 豚を殺して地位を上げる2018

    • Author(s)
      吉岡政徳
    • Journal Title

      ピキニニ通信

      Volume: 6 Pages: 2,2

  • [Journal Article] 豚を殺して親族になる2018

    • Author(s)
      吉岡政徳
    • Journal Title

      季刊民族学

      Volume: 116 Pages: 67-72

  • [Journal Article] フィールドからの声と人類学2018

    • Author(s)
      吉岡政徳
    • Journal Title

      神戸文化人類学研究

      Volume: 特別号 Pages: 3-26

  • [Presentation] 自然環境と共に生きる:オセアニアにおける人々と暮らし2018

    • Author(s)
      吉岡政徳
    • Organizer
      日本・イギリスロマン派学会
    • Invited

URL: 

Published: 2019-12-27  

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