2020 Fiscal Year Research-status Report
Catastrophe and Everyday Politics: Nuclear Refugees and Local Citizenship
Project/Area Number |
18K01193
|
Research Institution | Okayama University |
Principal Investigator |
鄭 幸子 岡山大学, グローバル人材育成院, 准教授 (20770001)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
宮川 陽名 岡山大学, グローバル人材育成院, 准教授 (10790610)
上杉 健志 岡山大学, グローバル人材育成院, 准教授 (20791114)
大澤 貴美子 岡山大学, グローバル人材育成院, 准教授 (70804251)
|
Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2023-03-31
|
Keywords | 東日本大震災 / 移住 / 地域市民性 / 分岐 / 被害者 |
Outline of Annual Research Achievements |
東日本大震災による被害の度合いの捉え方や発言の仕方には「分岐」が見られる。本研究の目的は、アドボカシーの視点を保ちつつ質的調査を通じ、移住民や避難民、そしてこうした移民や被害者を支援する人たちや彼らや彼女たちを取り巻く人々が築く「地域市民性」を明らかにし、移民、移住研究へ貢献することである。 避難民を同心円の中心に置き、その外型に移住民を含む同心円、その更に外側に支援者を含む同心円、一番外側にはその他の地域住民が含まれる同心円を重ねていく図を描くことで、被害の核心への心理的身体的距離感だけでなく、被害への関心度も可視化できるのではないだろうか。 プロジェクト三年目の2020年度は、新型コロナの感染拡大により、危険を回避することが最重要課題となり、当初の計画の大幅な変更を迫られた。各メンバーはインターネットによる調査や、ラジオなどのメディア研究、文献研究を行い論文執筆に取り組み、代表者は論文として発表した。 新型コロナが確認されてから一年が経つが、日本ではコロナは終息するどころか再拡大しているので、当初の計画通りできること、計画通りにはできないこと、この状況の中でできることの検討を行い、当初の5年計画の大幅な見直しも開始した。遠出や外出が制限される中、フィールドワークは国際学会への参加が困難になり、文献研究へシフトした。そんな中、東日本大震災の事例と比較することで知見を深めることができた。東日本大震災以外の、移民や避難民、被害者や支援者たち(関東大震災、足尾銅山事件、水俣病、外国籍住民など)が築く「地域市民性」についての研究もその一つだ。 そして新たな理論枠組の検討も行い、例えば代表者は成果としてシンポジウムで講演もした。当初予定していたフィールドワークが行えなず困難に直面している分担者とは、新たな文献研究も踏まえ共著論文にも取り掛かり始めた。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
コロナ感染拡大の影響で、調査を予定通り進められなかったが、関連文献や資料にあたり論文として研究成果を発表したり、シンポジウムの招待講演で発表した新しい理論枠組の検討の成果を、本研究にもつなげる端緒を掴んだ。
|
Strategy for Future Research Activity |
長期化する新型コロナ禍の中、計画通りにはできないこと、この状況下でできることの検討を行い、当初の5年計画の大幅な見直しも開始した。遠出や外出が制限される中、フィールドワークは国際学会への参加が困難な状況では、文献研究と、類似の事例を調べた上で、研究を進める。感染が落ち着き、安全にフィールドワークを行えるようになり次第、調査や国際学会での発表を再開する予定である。
|
Causes of Carryover |
新型コロナ感染拡大により、旅費、人件費の使用を計画通り行うことができなかった。またコロナ禍、物流の入荷に大幅な遅れが出てい他だけでなく入荷時期も不明な事態が発生した為、物品の購入を見合わせた。
|
Research Products
(2 results)