2018 Fiscal Year Research-status Report
Cultural and Medical Anthropological Investigation on Art Therapy-Oriented New Regional Social Movements Deriving from Cultural Psychiatry Applied for Hybrid Socio-Cultural Local Contexts
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18K01197
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Research Institution | Tokyo Online University |
Principal Investigator |
宮坂 敬造 東京通信大学, 情報マネジメント学部, 教授 (40135645)
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Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2022-03-31
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Keywords | 地域に入り込む芸術療法 / ハイブリッド文化社会集団過程の葛藤と再統合 / 先進国以外で展開する文化精神医学 / 文化医療人類学 / 文化精神医学的芸術療法概念の変容 |
Outline of Annual Research Achievements |
2018年度は、本務校用務の都合で海外出張期間取得が難しい状態が継続したこともあり、本研究の予定は遅れたが以下を実施。2019年3月18日~3月31日の期間、カナダに海外出張し、3月18日~24日のバンクーバ-滞在中は、当地の文化精神医学と臨床心理学グループで本研究関連の近年の芸術療法に関して情報収集と研究討論を実施(ブリティシュ・コロンビア大学精神医学名誉教授S. Ganesan医博、また文化を超える心理療法の観点でブリティシュ・コロンビア大学Dr.I.Ishiyama、関連してVancouver Association for Survivors of Torture を訪問、また関連して著名な現代舞踊家 J. Hirabayashi 氏とB. Bourget氏に芸術療法とダンスについてインタビュー、さらに、マッギル大学滞在中のJ. Guzder医博・教授とスカイプで準備的討論を実施)。3月25日~3月31日の期間はモントリオール・マッギル大学社会文化精神医学部門の短期訪問研究員として研究課題に関わる新文献収集・L.J.Kirmayer 教授と2回、A. Young 教授、J. Guzder教授と研究討論を実施し、研究課題に一部が関連するシンボジウムとふたつの研究セミナーに参加・討論した。本年度は予定していたジャマイカでの短期調査は実施できなかったが、J. Guzder教授からジャマイカのUniversity of West Indies のF. W. Hickling 医博グループの芸術療法運動の本年度の展開の経緯と関連する研究の展開の情報を得、とくに、1970年代のジャマイカのキングストンの人種問題にまつわる社会状況が本研究課題の前景の一部をなすことを認識した。また、在ブラジルのV. Pordeus医博とは一連のメール連絡により一部の資料を送っていただいた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
4: Progress in research has been delayed.
Reason
本務校は開学年度であるため、用務比率60%の見込みが大幅に外れて科研費研究への見込みエフォートをかなり低下せざるをえなくなり、とくに、海外出張期間を取得することが学年末まで困難な状態であった。これが、本研究が予定より遅延したことの主たる理由である。また、ジャマイカ・キングストン在のF. W. Hickling 医博が病気になったことで、現地への訪問設定が難しくなり、これも副次的要因となって、初年度はジャマイカ・キングストンでの調査を断念した。
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Strategy for Future Research Activity |
本務校は開学2年目にはいっているが、昨年度よりは本務校用務を減らした形にもっていき、科研費研究へのエフォートをあげていきたい。本年度2019年度はすでに4月1日~4日を昨年度の継続としてカナダ・モントリオール・McGill University, Division of Social and Transcultural Psychiatry のVisiting Scholarとして研究滞在した。これは本務校の年度末春休み期間のために可能となったものであった。本務校においては、9月12日から9月30日まで授業配信がない期間があるので、本年度はそこを中心に海外調査を行い、また、春休みにおいても海外調査を予定している。また、昨年度末のMcGill大学訪問により、同大学研究者たちとの討論が進展し、相互的な交流がスカイプやメ-ルで進む展開が生じ、所長から研究論文のコメントなども求められるようになり、関連学会にも誘われるようになっている。このチャンネルをさらに密にし、海外出張できない期間においても、通信によって研究をすすめる体制を構築していきたい。
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Causes of Carryover |
本務校の任務が予想よりも比重を重くせざるをえず、海外出張がなかなかできない状態で推移したため。
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