2022 Fiscal Year Annual Research Report
Genealogical Study of Possession-Social Control Capability in the Himalayan Region
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18K01200
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Research Institution | Ritsumeikan University |
Principal Investigator |
橘 健一 立命館大学, 政策科学部, 非常勤講師 (30401425)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
渡辺 和之 阪南大学, 国際観光学部, 准教授 (40469185)
山本 達也 静岡大学, 人文社会科学部, 准教授 (70598656)
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Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | 所有 / 社会的制御能 / 主体 / 狩猟採集 / アニミズム |
Outline of Annual Research Achievements |
2022年度は、ようやく新型コロナウイルス感染拡大が落ち着き、8-9月、12月にネパールでのフィールドワークが可能となった。当初の予定をすべてこなすことはできなかったが、代表者はネパールの先住民チェパンの狩猟採集やアニミズム、シャーマニズムなどについて、分担者2名はそれぞれチベット難民社会における焼身自殺とヒマラヤにおける野生動物と人間関係について調査研究を実施し、論文を記した。 また代表者は、チェパン語の文法についてオレゴン大学に博士論文を提出した言語学者ポンス博士と協力関係を築き、現地の協力者の助力も得て、これまで録音してきた狩猟採集やアニミズム、シャーマニズムに関わる会話やインタビューならびに神話語りの文字起こしとネパール語への翻訳作業を始めることができた。現在、その分析を進めているが、その成果の一部と文献研究からチェパンのイモに関する所有と存在の問題を論じることができた。また、ネパール大震災からの復興における所有の問題を改めて整理するなか、レジリエンスが所有=社会的制御能の自己組織化がもたらす階層構造を突き崩す可能性を示すことを見出した。それについて現在報告書を作成中である。 最終年度のまとめ作業として、代表者と分担者で、所有と主体、自己組織化と階層化、対象ー主体関係と数学の圏論や新実在論との関わりについて議論した。さらに、ヒマラヤ地域における狩猟採集と家畜飼育による主体ー所有関係の差異を整理し、それらが労働や貨幣とどう関わるのか、それぞれの系譜関係と相互関係はどうなっているのか議論し、新たな民族誌的記述を始めている。 研究代表者は、本研究の成果を踏まえて、新たにチェパンの夢に関わる言語表現と存在論について、ポンス博士の協力を仰ぎつつ、新たな研究プロジェクトを開始し、基盤研究(C)に採択されている。
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Research Products
(9 results)