2023 Fiscal Year Annual Research Report
Approaching transmission of performing arts in island societies through documentation video as a site for interaction and discovery
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18K01205
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Research Institution | National Museum of Ethnology |
Principal Investigator |
福岡 正太 国立民族学博物館, 人類文明誌研究部, 教授 (70270494)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
藤岡 幹嗣 立命館大学, 映像学部, 教授 (80351451)
笹原 亮二 国立民族学博物館, 人類基礎理論研究部, 教授 (90290923)
寺田 吉孝 国立民族学博物館, その他部局等, 名誉教授 (00290924) [Withdrawn]
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Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | 無形文化遺産 / 文化財レジーム / 芸能の映像記録 / 硫黄島 / 徳之島 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究においては、芸能の撮影からコンテンツ化、そして公開に至る全てのプロセスにおいて、実際に芸能を担う人々と地元自治体そして研究者が互いに協力することを心がけてきた。立場を異にする者の協力は、芸能に対する異なる視点の交換につながる。特に、同じ映像について意見を交換することは、それぞれが背景に持っている知識や経験の交換にもつながり、民俗芸能の理解を広げることに資することが、本研究の過程で明らかになってきた。 本年度は、これまでの研究の集大成として、地元と協力して撮影してきた芸能の映像をコンテンツ化し現地で公開することに力を注いだ。徳之島においては、国立民族学博物館の公募型共創メディア展示の枠組みで、天城町と伊仙町、徳之島町が合同で制作した映像展示「島の芸能」に対して企画段階から協力した。同展示は、2023年10月から2025年3月31日まで、天城町ユイの館、伊仙町歴史民俗資料館、徳之島町郷土資料館で公開している。また、鹿児島県三島村硫黄島においては、藤岡幹嗣が監督として撮影・編集した映像作品『島と人とメンドン』(125分)を上映した。なお同作品は2024年5月3日には国立民族学博物館においても上映会を開催した。また、関連するプロジェクトである「徳之島・奄美大島の芸能に関するフォーラム型情報ミュージアムのデータベースを基盤とした芸能研究の推進とその成果としてのマルチメディア番組及び展示の制作・公開」(代表:笹原亮二)との共催で奄美大島において『奄美大島の八月踊り』(国立民族学博物館製作、2007年、78分)の上映・意見交換会および映像データベースについての研究会を開催し、成果の刊行の準備を進めた。これらの成果を通じて、芸能の映像記録とそのデータベースは、芸能をになう人々にとっても、広い視点から芸能を見つめ直し、その将来を考える大きなきっかけとなり得ることが明らかとなった。
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