2019 Fiscal Year Research-status Report
帝政ロシア統治期中央アジアにおけるイスラーム法とロシア法
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18K01218
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Research Institution | Nara Women's University |
Principal Investigator |
矢島 洋一 奈良女子大学, 人文科学系, 准教授 (60410990)
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Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2021-03-31
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Keywords | 中央アジア / ロシア / イスラーム法 / ロシア法 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は、帝政ロシア統治期(19世紀後半~20世紀初頭)の中央アジアにおけるイスラーム法とロシア法との並存の様相を明らかにすることを目的とする。当時の中央アジアでは、伝統的なイスラーム法とロシア人が移入したロシア法が同時に運用されており、両者の管轄領域はロシア当局が制定したトルキスタン地方統治規程によって定められていた。しかし実際には、イスラーム法の管轄領域をロシア法がしばしば侵食するなど両者は複雑な関係にあったため、その実態を明らかにするためには法規定ばかりでなく実際の裁判事例を検討する必要がある。そこで本研究では、ウズベキスタン共和国中央国立文書館に所蔵される、イスラーム法裁判について記録した「民衆法廷台帳」と、ロシア法裁判について記録した「州法廷/管区法廷記録」という二つの資料群を比較対照することで、その関係を解明することを目指す。本年度も、昨年度同様計画通り同文書館における調査を行い、いくつかの裁判事例についての資料を収集した。本年度は特にサマルカンド州法廷におけるムスリムを被告とする裁判事例の検討に重点をおき、その成果の一部は第12回近代中央ユーラシア比較法制度史研究会にて「トルキスタン地方のロシア法廷におけるムスリム家族関係訴訟」と題して報告した。その中で、ロシア法廷で扱われたムスリム関係訴訟について概観するとともに、訴訟の具体例として、ムスリムを被告とする二件の殺人事件(夫婦間殺人・兄弟間殺人)について検討を行った。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
計画通りウズベキスタン共和国中央国立文書館での調査を行った。また収集した資料の分析も順調に進行しており、その成果の一部を口頭発表した。
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Strategy for Future Research Activity |
新型コロナウイルスの影響によりウズベキスタン共和国での調査が実施できない可能性が高いため、取得済資料の分析作業を中心に行う予定である。
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Causes of Carryover |
物品費として使用する予定だったが、残額は少額でありかつ急ぎ必要とする物品はなかったため、次年度に繰り越す方がより有効に使用できると判断した。
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Research Products
(3 results)