2022 Fiscal Year Annual Research Report
Law and economics approach to attorney fees and court mechanism for effective legal access
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18K01221
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Research Institution | Kumamoto University |
Principal Investigator |
池田 康弘 熊本大学, 大学院人文社会科学研究部(法), 教授 (70304714)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
森 大輔 熊本大学, 大学院人文社会科学研究部(法), 准教授 (40436499)
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Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | 法と経済学 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究の目的では,司法アクセスの拡充のための裁判の仕組みを各当事者のインセンティブに沿った形で効率的にデザインされているのか,ということを法と経済学の視角を使って考察することであった。その際には,訴訟当事者(原告と被告),および裁判官という裁判に関与する各主体間の相互依存関係を考慮に入れた,裁判の手続き自体の実質的なあり方について特に重視することとした。具体的には,裁判を原告,被告,裁判官の相互作用的状況として捉え,その状況をゲーム理論の分析で考察を行うことを目的とした。 本年度は,法と経済学熊本研究会において,2回報告を行った。研究成果としては,裁判官がどちらかの当事者に肩入れするケース(バイアスのある裁判官)とそうでないケース(バイアスを持たない裁判官)について分析し,とくに裁判官にバイアスがある場合において,その均衡において,裁判制度がInquisitorial Procedureの場合とAdvesarial Systemの場合とで,各パラメータによって裁判当事者の行動が変化することを確かめた。また,タロック訴訟関数を援用して裁判が白熱する状況をモデル化し,それによって裁判官の裁判における均衡行動を導出した。バイアスを持たない裁判官のケースではその定義により先例と同様の判決行動なることも理論的に確認した。さらに,これらの設定において,和解がどのように導かれるかについての基礎的考察も行った。裁判が白熱する場合においての各裁判当事者へ与える影響についての結果が得られた。研究期間全体を通じて実施した研究成果の内容は上記のとおりである。
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