2020 Fiscal Year Research-status Report
刑の一部執行猶予を含む刑罰の重さの認知要因の解明と刑事司法運用への応用研究
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18K01230
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Research Institution | Kansai University |
Principal Investigator |
藤田 政博 関西大学, 社会学部, 教授 (60377140)
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Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2022-03-31
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Keywords | 刑の一部執行猶予制度 / 量刑 / 一対比較法 / 刑事司法と心理学 |
Outline of Annual Research Achievements |
2020年1月から広がったコロナ禍の影響により、発表を予定していた全ての国際会議が中止またはオンライン開催となった。オンライン開催で参加を維持した国際学会では、同じセッションに出席する他国からの出席者の発表キャンセルが重なり、セッション自体がキャンセルとなり発表の機会を失った。 一方、本研究テーマと関連して研究期間開始後に着手した、刑事司法と心理学に関わる英語書籍の翻訳作業も進行しているが、月1回程度・対面での研究会開催からオンライン会議システムでの開催に変更して継続した。研究会における対面での訳文検討や、刑事裁判と心理学に関連する学術的論点についての検討はオンライン開催になったことでその量が減少し、また当初想定よりも訳文作成作業・用語対照表の作成などの関連作業に時間がかかっているため当初予定よりも遅れているものの、翻訳作業の完了の目処が立ち、出版を引き受けてくれる出版社を見つけることもできた。 2020年度は前例やノウハウが全くない中、急遽オンライン・対面両対応での授業準備・実施、会議実施、さらに緊急事態に対処するための学内会議の増加、連絡が全て電子メールに切り替わったことによって大学運営上の必要情報の処理に時間がかかるようになったことによって、申請当時想定していたよりも所属大学の教育・運営に必要なエフォート(業務時間)が大幅に増加した。そのため、研究活動に対するエフォートが当初想定よりも確保できず、研究活動が停滞することとなった。 そのような中、2020年度は追加のオンライン調査について倫理申請を完了し実施の準備をすすめたが、オンラインの追加調査の実施までには至らず、研究期間最終年であったが延長を申請するに至った。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
本研究課題は3年計画のうち2年間が終了し、その間は概ね順調に進行していた。しかし、3年目の最終年度に成果の発表・必要であれば追加データの収集をおこなう予定であったところ、新型コロナウイルス感染症関連による大学・学界の大幅な混乱によって研究の進行が停滞することになった。 幸いにしてもっとも主要な成果は2年目までに出ているので申請時の研究計画における成果の大事な部分は確保されている。そのため、成果が出るために大幅な遅れがでる事は考えにくいが、3年目までに完了する予定であった発表および追加データの収集等ができなかったため、主要な成果をさらに補強するための成果を出すことには当初よりも時間がかかる見込みである。 また、刑事司法と心理学関連の英語著作の翻訳作業も、対面からオンラインに切り替わったことで、開催頻度は落ちていないがコミュニケーションにおいてやり取りされる情報量の減少に伴い、進行のスピードが落ちている。
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Strategy for Future Research Activity |
本年は引き続き最終年度として、学会の開催延期等もあるため当初予定よりも参加学会数の減少があり得るものの、学会等での報告を目指す。また、追加データの収集を年度内にクラウドワークス等に委託しておこなうことも目指す。 2021年度も引き続き所属機関に置いてオンライン・対面両対応での授業準備・実施、会議実施や連絡が全て電子メールに切り替わったことによって大学運営上の必要情報の処理に時間がかかる状況は続いているため、2017年の申請当時想定していたよりも所属大学の教育・運営に必要なエフォートが増加することと思われる。そのため、研究活動に対するエフォートが当初想定よりも減少する可能性がある部分については、発表する学会数の調整等によって対応する一方、学会発表によらない成果発表としての論文執筆を進める。
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Causes of Carryover |
2020年度は新型コロナウイルス感染症の拡大によって海外の学会の大幅な延期や中止が相次ぎ、所属先大学で国内外の出張が全面的に自粛または禁止されたため、旅費として支出を想定していた費用が支出できなかった。 また、上記コロナ禍によって大学運営に関して大きく影響が出た。具体的にはオンライン・対面両対応での授業準備・実施、会議実施、さらに緊急事態に対処するための学内会議の増加、連絡が全て電子メールに切り替わったことによって大学運営上の必要情報の処理に時間がかかるようになった。そのため、申請当時想定していたよりも所属大学の教育・運営に必要なエフォート(業務時間)が大幅に増加し、研究活動に対するエフォートが当初想定よりも確保できず、研究活動が停滞することとなった。また、2020年度は初めての緊急事態宣言で図書館等も含め大学の設備利用の制約があり、制約下で研究を進める方法も手探りであったため研究の進行が遅れ、次年度使用額が生じた。
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