• Search Research Projects
  • Search Researchers
  • How to Use
  1. Back to project page

2019 Fiscal Year Research-status Report

日米比較研究による公法解釈方法と公法教育方法論の架橋の試み

Research Project

Project/Area Number 18K01250
Research InstitutionHiroshima University

Principal Investigator

福永 実  広島大学, 法務研究科, 教授 (10386526)

Project Period (FY) 2018-04-01 – 2021-03-31
Keywords制定法解釈
Outline of Annual Research Achievements

本研究は,行政機関が行う行政法解釈,即ち行政解釈(agency statutory interpretation)の方法論について,アメリカ法における議論の諸相を検討するものである 。
近年,我が国の行政法学では行政法解釈方法論への関心が高まりつつある 。ただ,そこでの「行政法解釈」の対象は裁判所が行う行政法解釈,即ち司法解釈(judicial statutory interpretation)に向けられている。しかし,行政法を解釈するのは裁判所だけではない。多くの場合,個別行政法を最初に解釈するのは行政機関である。従って,行政解釈は司法解釈に先行する。もちろん,司法解釈が行政解釈に法的に拘束されることはないが,時間的に先行する行政解釈が後続の司法解釈に事実上の影響(例えば行政解釈の尊重)を及ぼす可能性は否定できない。また,そもそも行政解釈は紛争事案にならなければ司法審査を受けることはないから,違法性が確定する時点まで行政解釈は事実上の影響力を持ち続ける。
このような行政解釈について,これまで我が国の行政法学では,司法解釈が行政解釈から受け得る影響の度合いについて裁判例の実証研究の必要性が説かれてきたほか,通達事項と法律事項の区別基準,行政解釈の司法統制といったテーマが議論されてきたが,そもそも行政解釈がどのような方法で形成されるべきか,といった前提問題には関心が寄せられてこなかった。
その背景には,行政解釈は裁判所が違法と判断すれば覆される暫定的存在であり,焦点は司法解釈方法論に振り向けるべきとの学問的合理性のほかに,そもそも行政解釈の方法は司法解釈の方法と同種である,との暗黙の措定があったように思われる。しかしこの点は必ずしも自明ではない。そこで本研究では,行政機関による行政法解釈はどのような方法でなされるべきか,裁判所による行政法解釈と異なるのか,と問題を設定して検討を行っている。

Current Status of Research Progress
Current Status of Research Progress

2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.

Reason

初年度の文献収集と分析に基づく基礎研究を経て,2年目は論文執筆に入ることができた。3年目にはアメリカ法分析と,これを受けた日本法分析の論考を2本公刊する予定で計画は進んでおり,概ね順調である。
但し,2年目に予定していた海外調査は,コロナの影響で断念した。3年目に調査を行うことも予定しているが,かなり悲観的な状況であり,研究が文献調査にとどまるなど,どのような影響が及ぶか想像ができないでいる。

Strategy for Future Research Activity

勤務先の大学紀要(広島法学)の6月発刊号と10月発刊号,及び信山社の行政法研究誌に(10月発刊予定)に研究成果を上梓する予定でいる。
但し,海外調査が可能にあれば,その成果を取り入れるべき,適宜,公刊時期を遅らせる。現状は,海外調査が不可能であることを見越した研究計画を立てている。

Causes of Carryover

世界的なコロナウィルスの蔓延のため,外国での資料調査及び国内での研究打ち合わせのための費用が使用できなかった。混乱回避後に利用を考えたい。

URL: 

Published: 2021-01-27  

Information User Guide FAQ News Terms of Use Attribution of KAKENHI

Powered by NII kakenhi