2019 Fiscal Year Research-status Report
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18K01252
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Research Institution | Kwansei Gakuin University |
Principal Investigator |
井上 武史 関西学院大学, 司法研究科, 教授 (40432405)
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Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2022-03-31
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Keywords | 公法学 / 憲法 / 結社の自由 / 団体規制 / 立憲主義 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究の目的は、団体に対する公的規制を結社の自由に関わる憲法問題であると位置づけて、具体的な規制措置の憲法論的な分析と評価を行うとともに、新たな規制立法に対する憲法論的な視座を提示することである。このうち、本年度は団体規制を検討する予備的作業として、違憲審査制や立憲主義原理などの基礎的考察を試みた。 まず、団体規制法については、「市民生活の自由と安全」研究会(7月20日、慶應義塾大学)において、「フランスのフーリガン対策規制の憲法問題」と題する研究報告を行った。この報告は、2020年度中に同研究会の成果である論文集に収録される予定である。 また、本年度の実績として、フランスで学会およびシンポジウムに参加したことを挙げることができる。まず、第13回日仏公法セミナー(9月12~14日、ランス・シャンパーニュ=アルデンヌ大学、パリ第1大学)において「日本国憲法の特殊性について」と題する研究報告を行い、日本国憲法や日本の憲法理論についてフランスの研究者と意見交換を行った。次いで日仏研究集会「日本とフランスの憲法改正」(10月4日、フランス国民議会)では、日本の憲法改正に関する理論的・実務的課題について状況報告的なコメントをした。このうち、前者については、上記セミナーの報告をまとめた論文集が2020年度中にフランスで公刊される予定である。 さらに、継続的な仕事として、法律時報「学界回顧」の「憲法」欄を分担執筆した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
本年度は、研究報告が中心であり公表業績は少なく、結果として来年度以降への準備期間として位置づけられる。もっとも、その成果のいくつかは来年度に公表される予定であり、それらは、今後の研究テーマの展開につながるものであると考えている。
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Strategy for Future Research Activity |
来年度は3年目になるが、団体規制法の全体を体系的、理論的に描く作業に入りたいと考えている。その一環として、団体規制に関するこれまでの問題や論点を広く取り上げて分析・検討し、その成果を公表したいと考えている。
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Causes of Carryover |
新型コロナ問題の影響により、2020年3月のフランス出張が取りやめになり、次年度使用額が生じた。2020年度中に再度のフランス出張を計画しており、その費用に充てる予定である。
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