2020 Fiscal Year Annual Research Report
Intersection of secondary and competition policies in public procurement contracts
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18K01257
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Research Institution | Sophia University |
Principal Investigator |
楠 茂樹 上智大学, 法学部, 教授 (70324598)
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Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2021-03-31
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Keywords | 公共契約 / 公共調達 / 付帯的政策 / 二次的政策 / 社会政策 / 競争政策 |
Outline of Annual Research Achievements |
コロナ禍において海外出張が不可能な状況となり、また国内移動も厳しい制限がかけられるなか、引き続き文献調査を中心とした研究を進めた。男女雇用機会均等、障害者雇用、働き方改革といった政府が積極的に行う社会政策について、主として総合評価落札方式を通じた推進が図られている実態を相当程度明らかにすることができた。欧州(EU)公共調達におけるような付帯的政策の積極的推進には程遠く、それは何よりも、欧州公共調達指令のような付帯的政策を実現するための基本的な法的整備が一般的な法律(会計法等)において欠ける一方、公共工事品質確保法のような特別立法を利用した社会政策の実現に積極的であることの原因としての会計法、地方自治法の側の制約がどこにあるのかを明らかにした(さらにはその根本問題としての憲法上の問題=単年度予算主義についても詰めた考察を行った)。公共契約を規律する一般法である会計法等の立法論としての付帯的政策のスキーム形成についての検討を進めたが、総合評価方式の適用場面、予定価格制度という既存の制度との関わりで「経済性の原則」が大原則として存在しているという実態をどう乗り越えるか、という立法技術の検討を進めた(ランク制と同様の文言にする等)。年度の後半においては、関連する独自の論考を作成し、現在投稿のための作業を行った。なお、2022年中に、本研究の内容を一部盛り込んだ関連する著作の公刊を目指している(ウェビナー形式での学会会合も多くなってきており、今後はその形式で行われる報告も予定している)。
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Research Products
(2 results)