2023 Fiscal Year Annual Research Report
The Future of Transfer Pricing -assessment of intangibles and risk
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18K01260
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Research Institution | Meiji University |
Principal Investigator |
松原 有里 明治大学, 商学部, 専任教授 (30436505)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
姚 俊 明治大学, 商学部, 専任教授 (00610932)
潮海 久雄 筑波大学, ビジネスサイエンス系, 教授 (80304567)
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Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | Transfer Pricing / Intangible Asset / OECD TP Guideline / Tax Treaty Arbitration |
Outline of Annual Research Achievements |
最終研究年度に、ようやくOxford大学出版の国際租税ハンドブックの一章に移転価格税制と無形資産の評価に関する英文の論考をガルシア・クレマン素学習院大学教授との共著で出すことができた。本論文では、日本だけでなく世界の現状を網羅して、移転価格税制に関連する判決や世界的なスタンダードでもあるOECDでの移転価格(TP)ガイドライン作成のプロセス、さらには、日本企業にとって関心の元でもある国際租税仲裁制度についての今後の動向について執筆した。これは、日本の読者だけでなく世界中の読者の理解に役立つようにとの狙いがあり、あわせて日本のこれまでの国際課税の分野での貢献についても、強調している。なお、同ハンドブックは全部で1000ページを超える大著で、共著者は64名に上る。国際共同研究の構想から執筆まで、足掛け5年(コロナでほぼ2年間中断したため完成が延期していた)にわたる大規模プロジェクトであったが、本稿の執筆活動を通じて、世界各国の中の国際租税のプロフェッショナルと幅広く個人的つながりができ、今後のさらに別のテーマでの国際共同研究のはずみとなったと考えられる。
あわせて、執筆当初は全く予期していなかったものの、日本在住の著者(うち1名は外国籍であるが日本在住20年に及ぶ知日家である)が書いたことで、2010年代後半のBEPS2.0から今に至るまでの、実際の国際課税交渉における日本のプレゼンスの低下を多少は食い止める効果もあったと考えている。その意味で学術的な点はもとより、実務にも良い影響を及ぼしたと考えている。
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