2022 Fiscal Year Annual Research Report
Cross-border Transaction and Tax Deferral
Project/Area Number |
18K01265
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Research Institution | Ritsumeikan University |
Principal Investigator |
宮本 十至子 立命館大学, 経済学部, 教授 (30351315)
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Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | BEPS / デジタル課税 / CFC税制 / OECD / EU税法 / 組織再編 / タックス・ヘイブン |
Outline of Annual Research Achievements |
最終年度である令和3年度は、9月までミュンスター大学で研究滞在し、EATLP総会、IFA、MPI研究会等の国際学会、日本税法学会大会、日本年金学会総会、IFA日本支部セミナー、関大租税法研究会等に参加し、議論を重ねた。租税法学会第51回総会では、「経済のデジタル化と国際課税」の報告に対してコメントを行った(租税法研究51号掲載予定)。 最終年度では、まずは、組織再編に伴う多国籍企業グループ間の利子支払いによる利益移転に対する同族会社等行為計算否認既定の限界を明らかにした。次に、デジタル取引の進展に伴い、従来の物理的拠点を基礎とした国際課税原則では適正に事業所得に課税できなくなっていることから、デジタル取引と課税権配分基準の動向とその課題にも取り組んだ。OECDは、デジタル課税に対する多国籍企業の課税権配分基準を見直し、第一の柱と第二の柱からなるBEPS包摂的枠組みを取りまとめ、実施に向けた議論を重ねている。新たな枠組みが実施されれば、各国の課税権配分に影響を及ぼすことから、本研究では、第二の柱に焦点をあて、課題を探ることにした。第二の柱は、軽課税国を利用した利益移転に最低税率まで課税できる制度を有するが(GloBEルール)、その実施にあたり、制度の簡素化と現行の外国子会社合算税制との調整が必要であることを指摘した(デジタル課税:「第二の柱」の国内法化の課題)。経済のデジタル化の進展による物理的拠点を基礎とする課税権配分基準の限界とデジタル課税の動向とパンデミック後の社会への影響について広く社会に周知した(「経済のデジタル化と国際課税」近畿税理士界700号6頁)。 Virtual Humboldt Colloquiumにて、本研究概要を紹介する機会にも恵まれた。これまでの調査結果、研究報告の議論を踏まえ、令和5年度に成果論文を公表する予定である。
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Remarks |
https://research-db.ritsumei.ac.jp/rithp/k03/resid/S000115
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Research Products
(8 results)