2020 Fiscal Year Annual Research Report
The right to education for children with developmental disabilities under the Individuals with Disabilities Education Act
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18K01271
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Research Institution | Beppu University |
Principal Investigator |
織原 保尚 別府大学, 文学部, 准教授 (50586823)
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Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2021-03-31
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Keywords | アメリカ障害者教育法 / IDEA / 発達障害 / 特別支援教育 / インクルーシブ教育 |
Outline of Annual Research Achievements |
2020年度は、論文「アメリカにおける障害のある子どもの教育を受ける権利とその裁判における救済について-Fry v. Napoleon Community Schools判決(2017年)を手掛かりに-」別府大学紀要(62号)では全12頁で、アメリカ障害者教育法(IDEA)に基づいて訴訟を提起する場合、事前に聴聞などの行政手続を経るよう定められているところ、IDEAと他の連邦法との領域が重複する場合に、それを経ずに訴訟が提起できるか否かが争点となった、アメリカ連邦最高裁判決である2017 年Fry 判決について論じた。 また、2019年度の障害法学会で司会を務めたため、雑誌『障害法』(4号) pp.131-137において、「障害法学会判例研究要録」を執筆した。性教育について公権力による教育の侵害が問題となった「七尾養護学校事件」と、成年後見制度を利用者に選挙権がないことが問題となった「成年被後見人選挙権確認訴訟」について議論をまとめている。 またその他、『発達障害・知的障害のための合理的配慮ハンドブック』(有斐閣)では、2頁ほどのコラムとして、「コラム特別支援教育の海外事情③アメリカ」の部分を執筆し、また、論文論文(単著)「日本語能力の不十分な子どもに対する支援について:大分県別府市を例に」関東学院大学法学研究所ジュリスコンサルタス(29号)pp71-83では、日本語能力の不十分な子どもに対する支援と、発達障害などの特別支援教育とを比較して議論をしている。 3年間の期間全体を通じて、判例や制度を中心にアメリカ、日本における発達障害のある子どもに対する教育について多角的に分析することができたのではないかと思う。アメリカ国内でも、様々な議論のある障害のある子どもに対する教育であるが、日本においても今後より一層充実した議論が必要であろう。
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Research Products
(4 results)