2018 Fiscal Year Research-status Report
Designing a multi-layered legal framework for the export of infrastructure services: Construction of the theory and its implementation in Asia
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18K01273
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
中川 淳司 東京大学, 社会科学研究所, 教授 (20183080)
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Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2021-03-31
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Keywords | アジアインフラ投資銀行 / 一帯一路構想 / プロジェクトリスク管理 |
Outline of Annual Research Achievements |
本年度は、海外におけるインフラの建設と運営に関わる投資プロジェクトのリスク管理をめぐる法的枠組みに関する先行研究の検討と、このテーマについての実証的なデータの収集に注力した。 先行研究として、インフラ建設・運営に関わる国際投資プロジェクトおよびエネルギー分野の国際投資プロジェクトに関わる法的諸問題を扱った内外の文献を調査し収集した。 実証的なデータの収集としては、まず、中国が進める一帯一路構想に関する米国戦略国際問題研究所のデータベース(Reconnecting Asia)にアクセスし、一帯一路構想の下で進められているインフラ建設・運営に関わるプロジェクトのデータを収集した。ただし、このデータベースはプロジェクトの概要しか格納していないため、プロジェクトのリスク管理をめぐる法的枠組みについては追加的なデータ収集が必要であることが判明した。そこで、アジアインフラ投資銀行(AIIB)のウェブサイトにアクセスし、同銀行が融資を行っているインフラ建設・運営に関わるプロジェクトのデータベースを調査した。このデータベースには、プロジェクトの詳細な説明文書の他、プロジェクトに関わる環境問題、人権問題、社会問題についての枠組み文書が格納されているので、これらを収集し分析することで、本研究課題にとって基盤的なデータを蓄積することができる。 次年度は、アジアインフラ投資銀行の上記データベースを通じた実証的なデータの収集を継続するとともに、アジアインフラ投資銀行関係者へのヒヤリングを実施する予定である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
本研究課題の遂行にとって、インフラ建設・運営に関わる海外投資プロジェクトのリスク管理のための法的枠組みについての実証的なデータの収集が不可欠であるところ、本年度の調査を通じて、アジアインフラ投資銀行のデータベースから、同銀行が融資したインフラ建設・運営に関わる投資プロジェクトについての詳細なデータが得られることが判明した。したがって、これらのデータを収集し分析することを通じて、本研究課題を遂行することが可能になる見通しが得られたと考える。
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Strategy for Future Research Activity |
次年度は、上記データベースからのデータの収集・分析に注力する。併せて、アジアインフラ投資銀行が融資するプロジェクトのリスク管理の法的枠組みについて、アジアインフラ投資銀行関係者へのヒヤリングを実施する予定である。さらに、アジアインフラ投資銀行が関与していないインフラ建設・運営に関わる海外投資プロジェクトのリスク管理に関するデータの収集を進めてゆくこととする。
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Research Products
(1 results)