2018 Fiscal Year Research-status Report
投資条約仲裁における仲裁人の独立性・不偏性――投資条約仲裁の特質解明に向けて
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18K01277
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
濱本 正太郎 京都大学, 法学研究科, 教授 (50324900)
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Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2021-03-31
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Keywords | 投資仲裁 / 仲裁人 / 不偏性 / 中立性 / 忌避 |
Outline of Annual Research Achievements |
今年は、先行研究の調査、関連仲裁判断例の調査、および、現在この問題についても議論が進みつつある国連国際商取引法第三作業部会における投資条約仲裁改革の審議状況の追跡を行った。 そして、国連国際商取引法第三作業部会での議論と並行して、それに研究者の立場から学術的に貢献することを目的として設立されたAcademic Forum on ISDSに構成員として参加し、その共同研究の一環として投資条約仲裁における仲裁人の中立性・不偏性について中間報告を行い(Academic Forum on ISDS Vienna Meeting, 31 October 2018 at the University of Vienna)、共同研究者の一名がその成果の要約を関連学会のブログ投稿(Chiara Giorgetti, "Independence and Impartiality of Arbitrators in Investor-State Arbitration: Perceived Problems and Possible Solutions", EJIL Talk!, 2019)の形で行い、現在、2019年度に共同研究として論文を専門学術誌に発表すべく、共同で準備を進めている。 その論考の内容は、これまでの問題を包括的に整理した上で、考えられる制度改革オプションごとにその対応可能性・長短を論じるものである。まだ完成までには多少の時間を要するが、本問題について世界の第一線で活躍する専門家達と共同研究の機会を得たのは貴重であった。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
上記の通り、研究成果の一部を中間発表として行い、批判を仰ぐ機会を得られた。さらなる研究発表に向けての準備も順調に進行中である。
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Strategy for Future Research Activity |
上記の通り、2019年度に一定の成果を共同執筆論文として発表する予定である。また、比較研究のために、投資条約仲裁以外の紛争処理制度における判断者(裁判官・仲裁人)の独立性・不偏性に関する先行研究や各種実行についても検討を深め、投資条約仲裁に特有の性質があるかどうか、あるとすればどのようなものであるか、考察を進める。
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Causes of Carryover |
30年度後期に謝金支払いで研究費が不足したため、前倒し申請を行ったが、予定より安く収まった。今年度実施の出張旅費に充てる予定である。
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