2022 Fiscal Year Research-status Report
A Comparative Analysis of the Formation, Application and Development of Rules on International Jurisdiction in Asia
Project/Area Number |
18K01281
|
Research Institution | Bunkyo Gakuin University |
Principal Investigator |
金 彦叔 学校法人文京学院 文京学院大学, 外国語学部, 教授 (00554461)
|
Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2024-03-31
|
Keywords | 国際裁判管轄 / 国際私法 / 比較法 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は、日韓における新しい国際裁判管轄法制の立法化の動きを受け、日韓の国際裁判管轄に関するルールの形成・適用・発展を比較法的観点から分析することによって、アジアにおける国際裁判管轄法制の調和の可能性や方向性を模索するものである。本研究の研究対象の一つである韓国の国際裁判管轄ルールはようやく立法化され、改正国際私法の中に盛り込まれ2022年7月5日より施行されている。これらの状況を踏まえ、本年度は、韓国における改正法の運用にも目を配りながら、比較法的な観点から日韓の国際裁判管轄法制を検討し、ルール形成への相互の影響が国際裁判管轄法制の調和に寄与しているか考察した。今年度の具体的な研究成果としては、日本の国際裁判管轄立法10周年を迎え、昨年度国際私法学会で報告した「消費者契約の特別管轄」を学会誌に公表することができた(「消費者契約の特別管轄- 民訴訟3条の4、3条の7を中心に」国際私法年報 24号(2022) pp.2‐25)。また、懲罰的損害賠償制度を導入している韓国の状況に注目し、懲罰的損害賠償を命じる外国判決の承認執行に関する韓国の運用について、早稲田大学比較法研究所で報告を行い、それを在日本法律家協会雑誌に公表した(「韓国における懲罰的損害賠償制度の導入と外国判決の承認執行」在日本法律家協会会報第4号(2022) pp.282-313)。次年度は、研究の最終年度として、これまでの研究成果をまとめるとともに、アジア地域における国際裁判管轄法制の形成過程から今後の調和の可能性や方向性を探っていく。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
新型コロナウイルス感染拡大により、海外との研究交流や調査等が遅れている。
|
Strategy for Future Research Activity |
本研究の最終目的は、法規範の国際的な統合と地域的な分散化が、ルールの形成・適用・発展の過程でどのように現れているかを、日韓での国際裁判管轄法制の発展過程を素材に理論的かつ実証的に分析するとともに、日韓でみられる営為が他のアジア諸国には如何に波及し、影響し合うかを考察することによって、アジア地域における国際裁判管轄法制の調和の可能性や方向性を探ることである。今年度は、本研究の最終年度として、本研究の目標達成に向けて研究成果をまとめていく予定である。研究成果は、今後、論文や書籍、学会での報告を通じて発信していく。
|
Causes of Carryover |
次年度使用額が発生した主な理由は、新型コロナウイルス感染拡大の影響で海外での研究調査や学会参加ができなったためである。次年度は、海外での研究調査のための旅費や文献購入等にあてたい。
|