2018 Fiscal Year Research-status Report
電気通信設備の接続に関する一般的制度から導出される実体規範に関する研究
Project/Area Number |
18K01297
|
Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
福田 雅樹 大阪大学, 法学研究科, 教授 (30580211)
|
Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2021-03-31
|
Keywords | 電気通信事業法 / 電気通信設備相互間の接続 / 電気通信事業の公共性 / 接続請求応諾義務 / 役務提供義務 / 業務改善命令 / 卸電気通信役務 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は、電気通信事業法に設けられている複数の電気通信事業者の電気通信設備相互間の接続に関する制度のうち接続請求応諾義務及び接続の業務に関する業務改善命令の制度から導き出される実体規範の内容を解明するとともに、立法論上の示唆を得ることを目的とするものである。 本研究においては、この目的を達成するため、①電気通信事業法の制定前以来の制度の沿革に即した歴史研究、②欧米における同種の制度との比較法研究、③電気通信事業法に定める関連する他の制度との比較研究及び④電気事業等に関する類似の制度との比較研究を立体的に組み合わせることにより、制度の趣旨・目的、要件、効果、指定電気通信設備制度との関係、民事法との関係、一般競争法との関係等を解釈論として整理した上で、今後の課題として立法論上の示唆を整理することを計画している。 平成30年度は、本研究を実施する最初の年度であることから、本研究全体の基礎を得るための準備的作業として、広く複数の電気通信事業者の電気通信設備相互間の接続に関する制度に直接又は間接に関連する行政文書、学術論文、裁判例及びその評釈、国会会議録その他の資料又は文献を可能な限り悉皆的に精読し分析すること等により、論点の所在を電気通信事業法の制定前以来の制度の沿革に即して把握し整理することに取り組んだ。その過程において得られた知見の一部を接続に関する制度及び関連する政策の形成と展開の全体像を概観する論文として整理した。当該論文は、平成31年度(令和元年度)に刊行される書籍に掲載される予定である。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
広く複数の電気通信事業者の電気通信設備相互間の接続に関する制度に直接又は間接に関連する行政文書、学術論文、裁判例及びその評釈、国会会議録その他の資料又は文献を可及的悉皆的に精読し分析すること等により、概ね当初の計画どおり、論点の所在を電気通信事業法の制定前以来の制度の沿革に即して把握し整理し、平成31年度(令和元年度)以降に継続して実施する研究を進めるに当たっての一応の基礎を得ることができた。
|
Strategy for Future Research Activity |
当初の計画に基づき研究を進める予定である。特に平成31年度(令和元年度)においては、制度の趣旨・目的、要件及び効果、指定電気通信設備制度との関係並びに民事法との関係を解釈論として整理することに注力する考えである。
|
Causes of Carryover |
平成30年度においては、本研究全体の基礎を得るための準備的作業として、我が国の電気通信事業法に設けられている制度に関する歴史研究に注力した。その過程においては、勤務先の図書館等が所蔵する書籍、無償で公開されている文献又は資料(電子媒体によるものを含む。)等に基づく研究がほとんどを占めた。このことに伴い、予算の額と比べると実際の使用額が少なくなった。 平成31年度(令和元年度)においては、同年度に執行することを予定していた予算の額と平成30年度に執行しなかった残高とを合わせた額を使用することにより、当初の計画の趣旨に沿った研究を進める考えである。
|