2020 Fiscal Year Research-status Report
地域福祉の法的権利構造の解明に関する研究―市民参加支援としての社会福祉の観点から
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18K01302
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Research Institution | Kanagawa University of Human Services |
Principal Investigator |
西村 淳 神奈川県立保健福祉大学, 保健福祉学部, 教授 (20746523)
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Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2022-03-31
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Keywords | 社会保障法 / 地域福祉 / コミュニティケア |
Outline of Annual Research Achievements |
3年目である2020年度は、横須賀市内において、昨年度実施予定だったものの新型コロナウイルス蔓延のため一部実施できなかった、地域包括支援センター、社会福祉協議会、民生児童委員協議会、医師会、市役所などの地域福祉の実務関係者によるワークショップを継続し、第5回を12月12日に開催した。ワークショップにおいては、対面及びオンラインを併用し、約50名の参加を得て、地域分析の結果を報告し、地域支援の住民活動のあり方について活発な意見交換を行うとともに、今後の地域における参加活動についての協議を行うことができた。また、これとは別に、横須賀市内の社会福祉協議会、市地域福祉課などを訪問し、具体的な取組についてのヒアリングを行い、地区における営利・非営利の福祉サービスの具体的な連携のあり方とネットワークについての調査を継続した。 一方、もう1つの柱であるイギリスでの調査に関しては、地域福祉における参加支援論と権利論を中心に、日英比較についての文献調査を継続し、一定の成果を得たが、予定していた現地調査と国際シンポジウムは新型コロナウイルス感染拡大のため実施できなかった。 新型コロナウイルス蔓延の影響を受け、当初予定していた成果を得ることができず、研究を終了できなかったので、当初2020年度までとしていた研究計画を変更し、2021年度まで延長する補助事業延長申請を行い、承認されたため、2021年度に引き続き研究を行うこととした。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
4: Progress in research has been delayed.
Reason
3年目である2020年度は、日本において、地域における福祉サービスのネットワークの全体像を明らかにするため、横須賀市における地域ワークショップを開催するとともに、地域福祉関係者の調査を行うことにしていた昨年度の計画が、新型コロナウイルス蔓延の影響で一部行えなかったものについて、今年度継続して行った。ワークショップは対面とオンラインの併用により、約50名の参加者を得て、今後の地域調査についての具体的な協議を行うことができ、また関係者の個別調査も進めることができた。 一方、イギリスの関係者と連絡を取って、イギリスの情報提供・権利擁護・相談援助などの個人利用支援、地域計画・人材育成・資源開発・ネットワークづくりなどの地域支援、住民集会・行政手続など政策過程参加支援の仕組みについてなど地域福祉の制度に関する調査を進めるとともに、日英比較の観点と、地域福祉における権利性の分析の観点を重視して分析のまとめを行い、横須賀市またはメドウェイ市において総括的な国際シンポジウムを行う予定にしていたが、新型コロナウイルス蔓延の影響で実施できたものは文献調査だけとなった。 このため、当初2020年度までとしていた研究計画を変更し、2021年度まで延長する補助事業延長申請を行い、承認された。 当年度半ばまでの成果は、論文 "The Legal Structure of Personal Social Services in Regional Spaces---in the context of Japanese community care policy" (Journal of Japanese Law, Volume 25,No.50)において発表した。
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Strategy for Future Research Activity |
延長した最終年度である4年目には、横須賀市内での地域福祉関係者の協力を得た調査を踏まえ、地域福祉の法的権利にかかる運用実態と課題についての整理を行うこととしている。 また、必要に応じてオンライン等の手法も活用してイギリスの関係者と連絡を取って、イギリスの情報提供・権利擁護・相談援助などの個人利用支援、地域計画・人材育成・資源開発・ネットワークづくりなどの地域支援、住民集会・行政手続など政策過程参加支援の仕組みについてなど地域福祉の制度に関する調査を進めるとともに、とくに日英比較の観点と、地域福祉における権利性の分析の観点を重視して分析のまとめを行う。 さらに、横須賀市またはメドウェイ市において総括的な国際シンポジウムを行い、研究結果を総括するとともに、日英比較を踏まえた地域福祉の法的権利構造の解明と構築についての研究成果について積極的に学会報告等を行っていくこととしたい。
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Causes of Carryover |
3年目に当たる2020年度においては、イギリスの関係者と連絡を取って、現地調査と分析を進めるとともに、横須賀市またはメドウェイ市において総括的な国際シンポジウムを行い、研究結果を総括する予定であったが、新型コロナウイルス蔓延の影響でほとんど実施できなかったため、補助事業の1年延長を行い、次年度使用に回さざるを得なかった。 4年目にあたる2021年度において、改めてイギリス訪問等を行い、調査を行うとともに、その結果の分析と発表を行っていく予定である。
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