2021 Fiscal Year Annual Research Report
Research for the Policy of Legislation in Labor Law
Project/Area Number |
18K01305
|
Research Institution | Nanzan University |
Principal Investigator |
緒方 桂子 南山大学, 法学部, 教授 (70335834)
|
Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2022-03-31
|
Keywords | 非正規労働法制 / 家族ケア / 非正規労働法制 / 第四次産業革命 / 労働時間法制 / 有期契約労働者 / 均等均衡処遇 / 新型コロナウイルスと労働法 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究の目的の第1は、法の制定過程に関し、労働法の分野で世界的に求められている三者構成方式の意義と課題を明らかにすることであった。この点について、比較法的な観点から検討を深めることを計画していたが、新型コロナウィルス(以下、コロナと呼ぶ)の世界的大流行(2020年1月~2022年4月以降も継続中)によって引き起こされた社会的危機(コロナ禍)のなかで、労働法及び社会保障法分野の諸法は、緊急事態に対応すべく、ややイレギュラーな形で改正されたり運用されたりした。そのため、交付申請書に記載した第1の研究目的については十分な検討を行うことができず、十分な成果をあげることができなかった。このテーマについては、本研究の期間経過後も、引き続き、継続していくことにする。 本研究の目的の第2は、法政策の効果・機能について、雇用機会均等法、労働基準法の労働時間規制、非正規雇用関連法を取り上げて検討することであった。 雇用機会均等法に関しては、同法自体を取り上げるのではなく、性を理由とした労働者の労働条件や雇用環境という観点から検討を行った。とりわけ、コロナ危機の下で生じた、女性労働者を中心とした雇用状況の悪化とそれに対する法政策のあり方を、韓国、ドイツ及び日本の比較法研究により明らかにした。 労働時間規制に関しては、「働き方改革」における労働時間法制改変の意義ついて検討した。また、ドイツの架橋的パートタイム労働時間制について検討を行った。さらに、AIやIoT、ビックデータによって生じる雇用環境の変化を「第四次産業革命」と呼ぶが、その下での労働をめぐる法政策の現状と課題を明らかにした。 非正規雇用関連法に関しては、有期契約労働者の均等・均衡待遇および更新上限条項をめぐる法的課題について、法政策の観点からみた問題、あるべき法解釈について検討を行った。
|
Research Products
(9 results)