2023 Fiscal Year Annual Research Report
Comparative Study between Japan and France on the Professionalization of Treatments of offenders and their Reformation of Structure of Bearers in Public-Private or Public-Public Collaborations
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18K01323
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| Research Institution | Ryukoku University |
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Principal Investigator |
赤池 一将 龍谷大学, 法学部, 教授 (30212393)
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2018-04-01 – 2024-03-31
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| Keywords | 官・民協働 / PFI刑務所 / 再犯防止 / 刑事施設医療 / 施設完結主義 / NPO団体 / 出口支援 / 拘禁刑 |
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| Outline of Annual Research Achievements |
本研究の背景として、まず日本版PFI刑務所の登場があった。そこでは行刑分野における民間企業の参入が注目されていた。また、日本の刑事施設における医官不足の恒常化と、そこでの特殊な医療体制を背景に、その医療の水準が疑われる事態が明らかになり、社会一般と同等の水準を確保するための方策として、民間の病院機関への業務委託や組織連携への関心が生まれていた。さらに、「再犯防止」への関心の高まりとともに更生・保護分野を中心に司法と福祉の連携が強調され、高齢障碍者出所者に対する出口支援や入口支援、また、施設内における矯正教育と理療法の活用などNPO団体の活動が注目されている。
他方で、フランスでは民間団体が矯正保護に関わる活動のほか、刑事司法機関に代替して対象者に対する調査活動や保護観察に広く関わる状況が認められる。また、最近では刑務所内の懲罰審への陪審制の導入など、NPO団体、職域組合、民間企業、まったくの私人等、従来、官の専権とされてきた刑罰分野への民の参入には目を見張るものがある。
行刑運営に関する官・官の協働（中央省庁間、中央官庁と地方自治体等との間等）について、特に、フランスの刑事施設医療の組織変化を素材に、刑事施設医療の責任と担い手を、司法省矯正局から厚生省に移管させた経緯とその実態について検討を行い、これを日本での改革に結びつけるための検討を、弁護士会や受刑者支援団体等の協力を得て実施した。
この動向を広く「再犯予防」を機軸とする近代社会での刑事政策の生成過程に位置づける理論をフランスの歴史家ミシェル・フーコーの著書『監獄の誕生－監視と処罰』における分析を手がかりにトレースした。特に、日本での「拘禁刑」の創設という近時の政策動向を素材に、矯正保護の担い手とその実務を施設完結主義の要請による官の独占とした歴史的沿革を検討し、その現代的矛盾と克服策を民間化の動向として検討した。
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