2021 Fiscal Year Research-status Report
Project/Area Number |
18K01331
|
Research Institution | Hitotsubashi University |
Principal Investigator |
角田 美穂子 一橋大学, 大学院法学研究科, 教授 (10316903)
|
Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2023-03-31
|
Keywords | リーガルイノベーション / スマートスピーカー |
Outline of Annual Research Achievements |
デジタルプラットフォームによって革新的なサービスが実現するとき、その法的規律はどうあるべきか。この問題を考えていくにあたって、ケンブリッジ大学法学部のフェリックス・シュテフェック准教授と共に提案した「リーガルイノベーション」というコンセプトを敷衍して検討を加えた。これは、法律の立案や解釈適用にあたっても、産業や経済活動でいわれているような「イノベーション」が必要だという主張である。つまり、今ある法律をわかりやすく解説したり、先例をもとに事件を解説するだけではなく、問題の本質を捉えつつ、社会課題を解決するという高次の理念に貢献することを目指す、ダイナミックな法律家モデルでもある。 具体例として、①新しい情報通信技術が登場する度に新たな法制が必要とは限らず、法解釈の新陳代謝によって対応できるか変化の本質を見極めるべきこと、②スマートスピーカーの登場は、意思表示の「到達」概念にあたって、これまで十分検討されてこなかったリスクの取扱いが問われる可能性を孕んでいることを明らかにした。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
新型コロナウィルス感染症の影響で、渡欧して欧州研究者と一緒に実施することを計画していたスマートスピーカーに関する共同研究は実現できなかった。
|
Strategy for Future Research Activity |
デジタルプラットフォーム提供者の法的規制は大きな展開をみせている。この間に培った国際的・学際的なネットワークを活用し、情報交換を通して成果を出したい。
|
Causes of Carryover |
計画していた渡航しての海外研究者との共同研究が実現できなかったうえ、家族の看病・介護で研究時間を確保できなかった。 この間に培った国際的・学際的人的ネットワークを活用し、計画を微修正しながら研究を発展させていきたい。 研究費は、文献購入、専門的知識の提供への謝金、国際・学際イベント通訳・翻訳、成果公表に向けた編集協力謝金(校閲等)等に支出予定である。
|