2023 Fiscal Year Annual Research Report
International Developments of Secured Transaction and Conditions for Implementation by National Laws
Project/Area Number |
18K01343
|
Research Institution | Chuo University |
Principal Investigator |
原 恵美 中央大学, 法務研究科, 教授 (60452801)
|
Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2024-03-31
|
Keywords | UNIDROIT / UNCITRAL / 担保 / モデル法 |
Outline of Annual Research Achievements |
本年度は、これまでの研究全体を鳥瞰するために、国際機関が策定する担保法関連のモデル法等から抽出されるプリンシプルを明らかにした上で、実際に日本を始めとしたアジア諸国においてどのように受容されているのか検討した。 作業としては、まず、こうした国際機関による文書が複数あることから、どれを受容するかによって、国内法に違いが生じていることを指摘した。その上で、複数存在する担保に関する文書を通底するプリンシプルを抽出することにより、各国の担保法を比較する軸とできることを指摘した。そして、こうしたすでに存在するプリンシプルを抽出した論文を分析し、複数存在する論文の中でプリンシプルとするものにズレがある点を指摘した。そのズレが生ずる理由を分析した上で、実際にプリンシプルが果たしうる役割を客観化し、こうしたプリンシプルを用いてアジア諸国における担保法の現状を分析した(国際学会で報告)。さらには、改正作業が進む日本の担保法とを比較した。 そして、こうした国際機関が策定した文書が、技術的な進展等により改正が必要になった場合の対応のあり方として、ファクタリングモデル法やUNIDROITデジタル資産原則における担保、さらには、UNIDROITにおけるカーボンクレジットのプロジェクトにおける担保が、プリンシプルと整合するのかという点を検討した。ファクタリングについては、日本のファクタリング取引の実情とUNIDROITファクタリングモデル法を比較検討し、国際学会で報告する機会を得た。
|