2021 Fiscal Year Annual Research Report
Franco-Japanese comparative legal research regarding the effects of Civil Code Reform (Law of Obligations) on financial practices
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18K01374
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Research Institution | Waseda University |
Principal Investigator |
白石 大 早稲田大学, 法学学術院(法務研究科・法務教育研究センター), 教授 (90453985)
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Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2022-03-31
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Keywords | 債権法改正 / 金融法務 / フランス法 / 債権譲渡 / 相殺 / 担保法改正 |
Outline of Annual Research Achievements |
2021年度は,法制審議会担保法制部会において担保法改正の作業が進行中であることに鑑みて,主に債権譲渡担保の解釈論・立法論についての検討を進めることとした。具体的には,①新たな担保法制の適用対象を画するに際して,証券化の文脈で従来から議論されてきた真正譲渡・担保目的譲渡の判断基準を用いる可能性の分析,②債権譲渡担保の公示・対抗要件制度について,アメリカ法のようなファイリングシステムを導入することの是非の検討,③集合債権譲渡担保の「複数回実行」の可否や,設定者について倒産手続が開始した後において集合債権譲渡担保の効力が及ぶ範囲の検討などである。 また,本課題のもうひとつの研究対象でもある相殺との関係では,④債権の譲受人に対して第三債務者が包括的な抗弁放棄を行った後も,第三債務者はなお譲受人に対して相殺の抗弁を主張して弁済を拒むことができるかにつき,その他の抗弁の対抗可否も含めた検討を行った。 次に,フランス法との比較・検討については,⑤クレジット取引における抗弁の接続の問題に関して示唆を得るべく,フランスで債務法改正の際に新設された複数契約の失効の規定(フランス民法典1186条2項・3項)を取り上げ,その射程とクレジット取引への適用可能性を分析した。 さらに,⑥フランスで債務法改正に続いて2021年に実現した担保法再改正についても,金融取引に与える影響が大きいと思われることから,詳細な分析に先立って改正の概要を検討・分析した。
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