2020 Fiscal Year Annual Research Report
Study on the theory to withdraw of combined consumer service contracts and the today's function
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18K01378
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Research Institution | Kansai University |
Principal Investigator |
寺川 永 関西大学, 法学部, 教授 (50360045)
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Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2021-03-31
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Keywords | 複合契約 / 消費者契約 / 役務提供契約 / 民法 / 解消法理 |
Outline of Annual Research Achievements |
最終年度に当たる2020年度では、本研究のテーマである複合的消費者役務提供契約における解消法理について、国内外の文献の読み込み等による分析を行いながら、研究内容の公表を行ってきた。 まず、関西大学法学研究所で開催された日韓消費者法セミナー(第151回特別研究会:2020年2月18日)の報告原稿に加筆修正したものを公表した(雑誌論文1)。これは、2017年民法改正において検討項目の一つとされた「複数契約の解除」について、最終的には明文規定の新設が見送られることになったが、その経緯について部会資料に基づいて分析した。複合的消費者役務提供契約に関する重要なトピックではあり、本研究との関連性は大きい。もっとも、明文規定の新設が見送られることにより、複合的消費者役務提供契約における解消場面の法理については引き続き解釈に委ねられ、理論構築の深化が求められる。 次に、送り付け商法等の規制としてドイツ民法典241a条を中心に検討し、その成果を公表した(雑誌論文2)。本研究のテーマと直接関わるものではないが、送り付け商法等の目的に「役務」が含まれる場合もあり、有益な示唆を得ることができた。 最後に、消費者契約法2条に定める「消費者」概念について、フリマアプリなどを介したCtoC取引における購入者側消費者の保護をどう捉え、どのような法規制が考えられるかのついて分析した(雑誌論文3)。近時オンラインプラットフォームが介在するビジネスモデルに対し、これを運営するオンラインプラットフォーム事業者への法規制も議論されているところ、複合的消費者(役務提供)契約の構造を有すると捉えうる上記モデルにおけるCtoC取引(消費者)の位置づけと消費者契約法のあり方を論じるものであった。 総じて、2020年度はコロナ禍により国内での研究に専念はせざるを得なかったものの、着実にその成果を公表し、研究に取り組んできた。
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Research Products
(3 results)