2021 Fiscal Year Annual Research Report
Comparative and empirical study of legal and bioethical governance of medical research
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18K01386
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Research Institution | Kobe University |
Principal Investigator |
丸山 英二 神戸大学, 法学研究科, 名誉教授 (10030636)
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Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2022-03-31
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Keywords | 研究倫理指針 / 生命科学・医学系研究に関する倫理指針 / IRB / Common Rule |
Outline of Annual Research Achievements |
令和3年度においては,医学研究に適用される倫理的要件を定める法令・指針のうちデフォールト・ルールを定めるものと位置づけられてきた2014年制定の「人を対象とする医学系研究に関する倫理指針」と倫理指針の先駆けとして2001年に制定された「ヒトゲノム・遺伝子解析研究に関する倫理指針」が統合され,令和3年3月23日に告示された「人を対象とする生命科学・医学系研究に関する倫理指針」(生命科学指針)の内容を批判的に検討するとともに,生命科学指針で多機関共同研究の倫理審査に関して一括審査が原則化されたことを踏まえて,多施設研究について単一IRBによる審査を義務づけた米国の改正コモン・ルール(2017年1月告示,一括審査の部分に関しては2020年1月施行)をめぐる米国内での議論及び伝統的に同一国内の研究について一括審査を制度化している欧英の制度を調査し,さらにその過程においてIRB審査のあり方に対する米国での法学,社会学,倫理学者による研究と改善の提言に関して検討を加えた。 医学研究に関するIRB審査の要件は,米国において1974年に制度化され,1991年に人を対象とする研究に適用される共通ルールとして制定されたコモン・ルールの中核的制度となって,2000年以降のわが国における研究倫理指針の策定作業においても参照されてきた。しかし,米国においては1990年代末にかけて研究不祥事の摘発が連続したことを背景に,2000年代初めにかけてその遵守が過度に求められ,議論が紛糾していたこと,その後,規制緩和と遵守支援体制が民間主導で進められ,民間機関によるIRB認証制度や実践的/学術的支援組織の誕生と発展,独立営利的IRBの増加という動きが見られたことについて,実証的に把握することができた。 これらの知識を踏まえ,生命倫理指針の適用のあり方について提言する論稿や講演を提示できたと考えている。
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Remarks |
医と法のホームページ 医のページ 報告・講演記録には,丸山が行った講演・研修に使用したスライドパワポのPDFファイルを掲出している。
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Research Products
(5 results)