2018 Fiscal Year Research-status Report
消費者法における不招請勧誘禁止の立法化に向けた勧誘概念の横断的研究
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18K01397
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Research Institution | Aichi University |
Principal Investigator |
上杉 めぐみ 愛知大学, 法学部, 准教授 (30583520)
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Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2021-03-31
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Keywords | 不招請勧誘 / イギリス / 電話勧誘 / ナンバーディスプレー / PPI |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は、消費者取引において問題となっている不招請勧誘による被害を防止するために、不招請勧誘に対する規制の立法化を提言することであるが、立法化の提言は、勧誘を行う事業者に多大な影響を与えることから、その対象を整理し、適正な事業活動とともに消費者保護のバランスを目指すものである。 本年は、3か年計画の研究の初年度にあたるため、日本における勧誘概念の調査・分析を中心に行った。まず、「勧誘」が法令上初出した鉄道営業法での勧誘概念の整理を行った。この整理により、消費者契約法の立法時に主張されていた勧誘・広告の二元論は見られなかったことから、二元論の発端を探るとともに、勧誘及び広告を規制している「特定商取引に関する法律」と「金融商品取引法」を取り上げ、同法における「勧誘」「広告」概念を明らかにすることに努めた。これにより、以前は、広告と勧誘の二元論について、一定程度の合理性が見られたものの、現代では、そうした区別では説明のつかない事態も生じていることから、これまで主張されてきた特定・不特定とは異なる基準の提唱することを試みた。これらの研究については、研究会において発表を行うとともに、論文の形で公表した。 また、イギリスで2018年に不招請勧誘への新たな規制が導入された情報を得たことから、具体的な実施状況について調査・検討を行った。電話勧誘業者へのナンバーディスプレーの義務化、ナンバー表示をしていなかった場合の執行の方法や、PPI(Payment Protection Insurance:収入補償保険)の契約締結に関する不招請勧誘の全面禁止について、国会での審議状況を整理し、日本で不招請勧誘を立法化する際の手がかりを得ることができた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
上記研究実績の概要で示したように、本研究の目的である消費者法における不招請勧誘禁止の立法化に向け、勧誘概念に関する我が国の状況について整理をすることができた。 また、ヨーロッパやイギリスでの不招請勧誘への規制状況を把握するために、2019年2月にヴェネツィア、マンチェスターで調査を行い、本研究テーマに関する多くの知見を得ることができた。そして、取得した情報をもとにした研究会での報告に対して、各種分野の研究者、実務家と意見交換ができた。
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Strategy for Future Research Activity |
2019年度は、イギリス法における不招請勧誘の概念について、文献をもとに整理するとともに、さらに必要な情報については、現地の研究者との意見交換を通した調査を行っていく。
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Causes of Carryover |
旅費に伴う費用のうち、航空機代や宿泊代をできるだけ安価に抑えることに努めた結果、残額が発生した。
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Research Products
(2 results)