2018 Fiscal Year Research-status Report
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18K01398
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| Research Institution | Nagoya Keizai University |
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Principal Investigator |
渕 麻依子 名古屋経済大学, 法学部, 准教授 (50771713)
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2018-04-01 – 2021-03-31
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| Keywords | フェア・ディーリング / フェア・ユース / 権利制限規定 |
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| Outline of Annual Research Achievements |
2018年度は3年の研究計画の初年度である。本年度は、まず、世界各国における著作権の権利制限規定の状況について整理を行った。その成果の一端を、まずは、「著作権法における権利制限規定の未来」（ジュリスト1523号）において公表した。この論文では、著作権の権利制限規定というと真っ先に思い浮かべられるアメリカ著作権法のフェア・ユースとアン女王法下でのイギリスの古い判例との関わり、現在はフェア・ユース規定を持たないイギリスにおけるフェア・ユース導入をめぐる議論、そして、同じくフェア・ユース規定を持たないカナダやフランスの議論状況に関する紹介を行った。この論文の執筆の過程での研究を通じて、カナダは、イギリスの著作権法を規定を受け継いでいるにも関わらずアメリカのフェア・ユースの議論をも意識した議論が行われていること、また、イギリスとオーストラリアの間では、国境を超えた研究者の移動も多く、イギリスの学界と議論の土台を共有していることなどを把握することができた。
また、本研究の目的のひとつは、近年繰り返し議論が行われているわが国の著作権法の権利制限規定のあり方に対して示唆を得ることにある。この点との関連では、わが国の権利制限規定をめぐる判例の状況について、『新・判例ハンドブック情報法』の担当部分の執筆を通じて、権利制限規定に関する古典的なものから比較的新しいものまで議論の整理を行い、わが国の権利制限規定の現在の状況を見直す機会を得た。
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| Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
今年度も研究実施計画に従って研究を進める。これまでに研究を行った各国の状況についてはより詳細な成果を本年度以降順次公表することを予定している。また、研究会等での報告も行いたい。なお、現在のところ，研究計画に関して変更の必要や研究遂行上の大きな課題は生じていない。
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| Strategy for Future Research Activity |
今後は、イギリス著作権法を直接取り入れたという歴史を持つカナダやオーストラリアの著作権法におけるフェア・ディーリングをめぐる判例や学説の状況について詳しく検討していく予定である。これらの国における議論の状況を分析することによって、イギリスにおけるフェア・ディーリングの本質がいったいどのようなものであるかということが、イギリスだけを研究の対象とするよりも一層明らかになると思われるからである。したがって、2019年度は、まずはカナダとオーストラリア、研究の進捗によっては他のコモンウェルスの国々についての研究を深めていきたい。
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