2022 Fiscal Year Annual Research Report
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18K01398
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| Research Institution | Kanagawa University |
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Principal Investigator |
渕 麻依子 神奈川大学, 法学部, 准教授 (50771713)
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| Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2023-03-31
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| Keywords | 権利制限規定 / フェア・ユース / フェア・ディーリング |
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| Outline of Annual Research Achievements |
研究最終年度にあたる2022年度は研究を一層進化させるとともに研究の取りまとめを行う1年となった。そのうちの大きなものとしては、2022年4月に、明治大学知的財産法政策研究所（IPLPI）シンポジウム「知的財産法制と憲法的価値」 において、「著作権法の解釈と裁判所の役割──権利制限規定をめぐる議論の手がかりとして」と題する報告を行ったことが挙げられる。そこでは、他の登壇者（研究者・実務家）から貴重なコメントを得たほか、シンポジウム参加者からの質問からも今後の研究の発展につながる示唆を得た。なお、最終年度の研究遂行にあたっては、COVID-19の世界的な流行に伴い、当初予定していた国外出張を伴う調査研究はかなわなかった。しかし、それに代わって、外国の関連文献を集中的に購入し研究を深めることに努めた。
さまざまな著作物の利用態様に対応するために権利制限規定はいかにあるべきか。本研究課題の研究期間全体を通じて、アメリカ型のフェア・ユース規定を著作権法の中に置くかどうかが重要なのではなく、そうした規定を置かなくても、既にある権利制限規定を裁判所が積極的に解釈することによって、フェア・ユース規定があるのと同様の対応が可能であると考えるに至った。権利制限規定をめぐる議論は依然続いている。本研究課題は今後もさらに発展させる必要があると考えており、それにあたっては、本研究で取り扱ったイギリスやカナダをはじめとするコモンウェルスの国々におけるフェア・ユースとフェア・ディーリングの関係をめぐる議論の動向をさらに掘り下げる必要があると考えている。
なお、本研究課題から得られた成果は「権利制限法理の歴史的展開」の一部として取りまとめており順次公表する。その第1回目は神奈川法学55巻3号に掲載された（本号は2022年度内の刊行予定であったが、諸事情により刊行が2023年度に入ってからとなった）。
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