2019 Fiscal Year Research-status Report
高速鉄道の建設と在来線の維持に関する政策決定過程の国際比較研究
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18K01410
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Research Institution | Kanazawa University |
Principal Investigator |
市嶋 聡之 金沢大学, 人間社会環境研究科, 客員研究員 (40447678)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
岡本 勝規 富山高等専門学校, その他部局等, 准教授 (80311009)
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Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2021-03-31
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Keywords | 公共交通政策 / 政策評価 / 交通地理学 / 地方自治 / 合意形成 |
Outline of Annual Research Achievements |
平成31年度(令和1年度)の前半は、前年度に引き続き、日本国内における並行在来線の新幹線開業に伴う経営分離問題の調査を主に行った。過去の研究(平成27~29年度の挑戦的萌芽研究「新幹線建設に伴う並行在来線の経営分離の問題をめぐる政策決定と社会的合意形成の研究」)と連続するテーマなので、以前に実施した自治体への聞き取り調査の再検討を行い、現在延伸建設中である北陸新幹線金沢以西の沿線地域に関する資料収集と、分析を進めた。そして、今後の並行在来線経営分離で特に大きな影響を受けることが予想される沿線自治体(福井県鯖江市など)を対象として選定し、聞き取り調査の具体的な準備を進めた。 本研究の主題である国際比較研究のために実施予定である海外調査の具体的方法については、研究分担者と定期的に会合の機会を設けて検討し、年度末に韓国と台湾の現地調査をするための資料収集を進めるとともに、今後の研究スケジュールと経費配分の見直しを行った。しかし、2020年1月以降、新型コロナウィルス(COVID-19)の世界的な感染拡大という事態を受け、年度末に予定していた現地調査は次年度以降に延期した。 2019年10月6日には、富山県民共生センター(富山市)で開催された富山県の並行在来線第三セクターあいの風とやま鉄道(株)の総務企画部長助野吉昭氏による講演会「あいの風とやま鉄道の利用状況と決算等」に参加した。この会では、富山県内の並行在来線の経営状況について最新の資料を元に、並行在来線経営の現状と持続可能性についての確認を行った。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
4: Progress in research has been delayed.
Reason
当該年度は、夏期から本格的に現地調査を始める予定だった。しかし、研究代表者の市嶋が9月に短期ではあるが入院することになり(その後健康状態に問題は無い)、2月と3月にまとまった期間を確保して集中的に調査旅行を行うという予定変更を決めた。さらに、韓国と台湾での現地調査準備を進めていた1月になると、中国で新型コロナウィルス(COVID-19)感染症が流行し始め、2月以降になって感染が世界中に拡大したため、最終的に年度内の海外調査旅行を断念した。
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Strategy for Future Research Activity |
2020(令和2)年度は、引き続き資料・情報収集を進めながら、本格的な現地調査を行う。国内(石川県以西)の並行在来線沿線自治体・関係団体への聞き取り調査も継続実施する。最終年度なので、本研究の主題である海外調査を実施する。夏に韓国と台湾、2月~3月頃にヨーロッパ諸国で現地調査を行う予定だが、新型コロナウィルス(COVID-19)感染症が収束しなければ、研究期間の延長を申請することになる。
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Causes of Carryover |
本研究の経費のうち、現地調査の旅費と人件費(通訳や現地協力など)が大半を占めるので、当初の計画では経費使用の自由度を確保するため、二年目までに金額のほとんどを設定していた。しかし、既に述べたとおり、新型コロナウィルス感染症の世界的規模での拡大という事態を受け、二年目に予定していた韓国と台湾での現地調査を延期することになり、結果的に最終年度である三年目に集中して研究費を使用することになった。
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