2021 Fiscal Year Research-status Report

日中戦争における日本と中国共産党の相互関係：マルチ資料と複眼的視点による学術研究

Research Project

Project/Area Number	18K01417
Research Institution	Daito Bunka University
Principal Investigator	鹿錫俊大東文化大学, 国際関係学部, 教授 (20272784)
Project Period (FY)	2018-04-01 – 2023-03-31
Keywords	日本 / 中国 / ソ連 / 中国共産党 / 防共 / 日中戦争
Outline of Annual Research Achievements	コロナ禍が続いている中、申請時に計画した中国大陸、台湾、米国、ロシアなどへの海外調査は今年度でも実現できず、国内での出張調査も自粛せざるを得なかった。資料の収集は引き続きネットでアクセスできるものを中心に行ってきたが、台湾の国史館、中央研究院近代研究所と日本のアジア歴史資料センターのHPから課題に関する資料を多く入手した。また、購入した資料集の精読と整理、分析に努力を続けている。研究の面では、本課題開始以来の実績を踏まえ、1930～40年代における「防共」と「容共」、「抗日」と「反ソ」をめぐる日本・中国・ソ連の間に展開された複雑な紛争の究明を中心に、次のような成果を獲得した。 ①「従日徳防共協定到中蘇絶対密件的多辺競合及影響（日独防共協定から中ソ絶対密件に至る期間における多国間競合とその影響）」と題する学術論文を刊行し、「防共」問題をめぐる日中ソ三国間の争い、日中戦争の勃発における防共要因、中国側の日ソ関係観について新しい識見を提示した。 ②「1931－33年間における国民政府の対日政策を如何に評価するか――五つの段階と三点の注意」と題する会議論文を提出し、南京大学主催の「九一八事変90周年国際シンポジウム」で主旨報告を行った。 ③NHKの取材に協力し、NHKスペシャル「開戦　太平洋戦争　日中英米知られざる攻防」（2021年8月15日放送）とNHK　BS1スペシャル「完全版　開戦　太平洋戦争　日中英米知られざる攻防」（2021年12月30日放送）の制作に識見と資料を捧げ、研究成果を社会に発信した。
Current Status of Research Progress	Current Status of Research Progress 4: Progress in research has been delayed. Reason コロナ禍により、申請時に計画した中国大陸、台湾、米国、ロシアなどへの海外調査を実施できなかった。また、国内での調査も十分に行えなかった。
Strategy for Future Research Activity	海外渡航が可能になった場合、中国大陸、台湾、アメリカ、ロシアなどでの研究調査と資料収集をやり遂げる。コロナ禍が長引き、新年度での海外調査も不可能となる場合に備えて、現在の条件で可能である研究を進め、学術著書の執筆に尽力する。
Causes of Carryover	【理由】コロナ禍により、申請時に計画した海外調査などができず、国内での出張調査も自粛せざるを得なかった。【使用計画】海外渡航が可能になった場合、中国大陸、台湾、アメリカ、ロシアなどでの研究調査と資料収集をやり遂げる。また、本研究の集大成としての国際研究集会を開催する。