2023 Fiscal Year Annual Research Report
Mutual relationship between Japan and the Chinese Communist Party during the Sino-Japanese War: Academic research using multiple sources and multiple perspectives
Project/Area Number |
18K01417
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Research Institution | Daito Bunka University |
Principal Investigator |
鹿 錫俊 大東文化大学, 国際関係学部, 教授 (20272784)
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Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | 中国 / 日本 / ソ連 / 抗日 / 防共 / 中国共産党 / コミンテルン |
Outline of Annual Research Achievements |
(1)最終年度の2023年度では次のような実績を得た。①「東アジア近代史学会」主催のシンポジウム(2023年7月2日)において、「中国国民政府の対ソ認識とその政策決定におけるソ連要因」と題する報告を行ったうえ、論文を作成し、学会誌『東アジア近代史』に採用された。②南京大学主催の国際シンポジウム(2023年10月27-30日)において、「太平洋戦争前夜における蒋介石の対日誤判」と題する報告を発表し、論文も完成した。③社会への還元として、「日中友好神奈川県婦人連絡会」主催の「7・7盧溝橋事件記念の集い」で、「日中戦争はなぜ回避できなかったのか」と題する講演を行なった。 (2)2018年度以来の研究期間全体を総括して、全般的な成果の一環として、『日中全面戦争に至る中国の選択(1933-1937):「防共」と「抗日」をめぐる葛藤』と題する日本語の著書を書き上げ、2024年度研究成果公開促進費(学術図書)に採択された。また、科研成果を海外に発信するため、上記の著書を基礎にしつつ、対象時代を1931年に遡り、内容を7章から10章に拡大し、日本側の対応に関する論述をより強化した中国語の著書『蒋介石與中日蘇三角関係(1931-1937)』の原稿を完成した。 (3)コロナ禍の蔓延によって3年間資料調査が計画通りに行なわれなかった。最終年度では防疫態勢の緩和を受けて、これまでの損害を挽回するよう、校務をこなしながら、日本での調査を加速させ、米国、中国、台湾などでの調査も積極的に行ない、資料収集と学術交流を進捗させた。そのため、上記の諸成果に繋がった一方で、今後本研究をさらに発展させるための基礎を築いた。現在、新しい論文と著書を構想し、草稿を作成している。その一部は、イタリアでの国際シンポジウム(2024年6月)と台湾での国際シンポジウム(2024年11月)で発表する運びになっている。
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