2021 Fiscal Year Research-status Report
戦前期日本の軍法務をめぐる実証研究─陸軍法務官・堀木常助を中心として
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18K01421
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Research Institution | Meiji University |
Principal Investigator |
西川 伸一 明治大学, 政治経済学部, 専任教授 (00228165)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
小森 雄太 明治大学, 研究・知財戦略機構(駿河台), 研究推進員 (70584423)
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Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | 法務官 / 堀木常助 / 軍法会議 / 軍事司法 / 最高裁裁判官 / 政軍関係 |
Outline of Annual Research Achievements |
令和3年度も新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の流行拡大に伴い、現地調査などは感染状況の合間を縫って実施することを余儀なくされた。令和3年4月にいったん感染状況は落ち着きをみせた。ちょうどこの時期に本研究の研究対象である堀木常助陸軍法務官の本家筋にあたる堀木茂氏が、擬革紙など郷土の名産品を展示する催しのため東京に出てこられた。渋谷の会場で、堀木常助の曽孫の菜穂氏とともにお会いして、貴重な証言を得ることができた。その際に、堀木常助とその親類縁者の戸籍謄本のコピーをいただき、堀木常助にかかわる系図作成が大幅に進捗した。 また、このときに堀木常助の遠縁に当たる和紙デザイナーの堀木エリ子氏をご紹介いただいた。系図についてエリ子氏にメールで照会したところ、エリ子氏がすでに業者に作成させていた堀木家本家の系図のコピーをいただいた。これにより、堀木常助にかかわる系図を完成させることができた。 令和4年になってまん延防止等重点措置が解除された3月には、堀木常助が勤務していた旭川の陸軍第七師団の跡地を見学するために出張した。現地には北鎮記念館が開設されており、第七師団の歴史をたどる品々が展示されている。見学順路に沿って自衛隊員の方に丁寧に説明していただいた。旭川市中央図書館にも足を運び、全国でここにしか所蔵されていない『旭川新聞』のマイクロフィルムで堀木常助に関連する記事を閲覧・コピーした。 ところで、堀木常助は日記代わりにつけていた3冊の手帳を遺している。細かい字でくずし字、かつくせ字でたいへん判読がむずかしい。前出の菜穂氏が所蔵しており、すでに撮影していただいていた。ところが手ぶれのため読み取りにくい箇所が多くあり、カメラを固定しての接写をお願いした。快く再撮影に応じていただけた。この判読作業を進めるとともに、記載内容を吟味し、書かれた文脈・背景を検討した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
令和3年度の調査研究の成果は、最終年度である令和4年度の調査研究に大きく寄与することが予想されるものの、COVID-19の流行拡大のために年度当初に予定していた現地調査のための出張は、上述の旭川のみにとどまった。堀木常助は宇都宮市にあった陸軍第十四師団、さらには香川県善通寺市にあった陸軍第十一師団にも勤務しているが、これらの調査ができず、当初計画のスケジュールに遅延が生じている。
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Strategy for Future Research Activity |
最終年度である令和4年度の研究の推進方策については、引き続き当初計画に従い、作業に取り組むとともに、必要に応じて新たな研究課題を設定するなどして、本研究の目的達成を図る。残されている調査出張および後述の文献収集をできるだけ早く行って、成果物を完成させる作業に取り組んでいく。具体的には、京都にある出版社の人文書院に堀木常助をめぐる出版企画を通していただいているので、これに応えるため原稿執筆を加速させたい。
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Causes of Carryover |
令和3年度は、研究実績の概要のとおりの調査研究を実施したが、COVID-19の流行拡大のため年度当初に予定していた調査出張は1回しか実施できなかった。これらなどにより、次年度使用額が生じた。そのため、堀木手帳の判読・分析作業は相当程度進捗しているものの、全般的には本研究はやや遅れている。 令和3年度の実施を予定していた前記の第十四師団(宇都宮市)と第十一師団(善通寺市)の跡地への調査出張については、令和4年5月以降に実施することを予定している。善通寺市への出張のための航空券はすでに購入済みである。 なお、堀木常助は「満州国」でも勤務し、そこで最期を迎える。令和4度中に中国東北部へ出張することは非現実的であるので、「満州国」時代の堀木常助については文献調査が主となる。当時の文献は1点1万円を超すものも少なくない。繰り越された研究費は上記出張旅費に加えてこれらの購入にも充てる予定である。
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Research Products
(4 results)