2020 Fiscal Year Research-status Report
ポスト55年体制における圧力団体・農協の政治活動の内在的・総体的把握
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18K01427
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Research Institution | Osaka University of Pharmaceutical Sciences |
Principal Investigator |
城下 賢一 大阪薬科大学, 薬学部, 准教授 (70402948)
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Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2022-03-31
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Keywords | 農協農政運動 / 農業政策 / 政治資金収支報告書 / 全中改革 / 全農改革 |
Outline of Annual Research Achievements |
第一に、農協の農政運動研究に関して、全国農業者農政運動組織連盟(全国農政連)の機関誌を中心に、農協関連雑誌・新聞を記事検索・閲覧し、関連事項に関するデータベースの作成と分析を行った。また、全国農政連及び都道府県段階の農政連の活動を分析するため、政治資金規正法に基づく政治資金収支報告書を収集し、データベースの作成と分析を行った。 第二に、農業政策に関して、一般の新聞・雑誌を記事検索・閲覧し、関連事項に関するデータベースを作成した。農協関連雑誌・新聞についても同様の作業を行った。政府・自治体のウェブページを閲覧し、必要に応じて関連のページ(PDF化されたものなどを含む)を保存した。全中など農協組織についても同様の作業を行った。また、国立公文書館や地方公文書管理施設の目録(オンライン目録を含む)を検索し、農業政策に関連する文書の所在を調査し、必要に応じて閲覧しつつ、データベースの作成と分析を行った。 第三に、農政運動研究に関して、2018年度の学会報告をもとに農政連活動の現状を評価する論文を完成させ、所属大学の紀要で公表した。農協は、圧力団体として、政治的影響力をどのように確保・強化しようとしてきたか(しているか)、農協はその試みのなかでどのような課題を抱えているのかについて、全国農政連と組織内候補の支援、政治資金から見る自民党との関係、政策過程への影響等から検討を行い、農協が組織利益を直接的に代表する議員の当選に成功しつつも、政治過程にそれを反映させることが難しい状況にあることを示した。また、第二次安倍内閣期以降の農協改革に関し、全中・全農改革について再調査するとともに、その後の展開について調査し、論文草稿を執筆している。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
文献資料調査については、当初の予定通り進行している。一方、インタビューや現地調査については、研究機関後期に行うよう計画していたところ、新型コロナウィルス感染症流行の影響もあって実現できていない。
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Strategy for Future Research Activity |
当初の研究計画の通り、引き続き文献収集を進める。研究計画に含めていたインタビューについてはなお実施を期待しているが、新型コロナウィルス感染症の感染状況に応じて判断し、場合によっては取り止めざるを得ない。専門家との意見交換を行いつつ、成果となる論文を執筆して発表していく。
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Causes of Carryover |
新型コロナウィルス感染症の感染拡大により、計画していた現地調査・インタビューが実施できなかったため、次年度使用額が生じた。今年度は、感染状況を見ながら現地調査・インタビューの実現を模索しつつ、予定していた通り完全に行うことが難しい可能性を考慮し、文献や公文書・私文書の収集と分析を進める。
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Research Products
(2 results)